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今は「すべての投資」をやめるとき、2026年は「投資は死んだ」と言われる「歴史的な年」になる

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なぜ筆者は「今は投資をやめたほうがいい」と主張するのだろうか(写真:ブルームバーグ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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競馬である。

3日の日曜日は春の天皇賞(京都競馬場で行われるG1レース、芝コース距離3200m)である。ところが、今、天皇賞の改革議論をめぐって、ネットは大炎上している。炎上したのは、社台ファーム・吉田照哉代表の以下のような趣旨の発言である。

「春の天皇賞を2400mにしてほしいんです。2400mなら、そこをステップに(6月に行われる英国で行われるほぼ同距離のG1)キングジョージ(6世&クイーンエリザベスステークス)に行くことができます。3200mの(春の)天皇賞を勝つと、種牡馬の価値が逆に下がるという風潮があるのも事実。もう時代にそぐわない。そのうち長距離馬ばかりの白けたレースになるかもしれません。2400mにすれば明らかに出走馬のレベルは高くなりますよ」

これを「傲慢だ、何様だ、貴方のための競馬界じゃないんだ」、と多くの競馬ファンが怒りをあらわにしている。しかし、私は言いたい。「怒っている競馬ファンたちよ。あなた方こそ、何様ですか」。

吉田照哉氏は、現在の日本競馬の発展を築き上げた最大の功労者である。異論があるとすれば、照哉氏ではなく、父の吉田善哉氏の方だろう、というものだけだ。その照哉氏の見ている競馬の世界の1%も理解できていない、昨日今日の競馬ファンたちが何を言うか、と。

春の天皇賞の改革が必要な3つの理由

春の天皇賞の改革は必要である。

なぜなら、第1に、年々、出走馬のレベルが下がってきているからである。第2に、この50年ずっと進んでいることであるが、現代競馬のスピード化である。秋の天皇賞はJRA(日本中央競馬会)の強い馬づくりの信念の下、1984年に3200mから2000mに改められ、日本最高の馬たちが出走し、勝利しており、世界で最もレベルの高いレースとなっている。

実際、IFHA(国際競馬統括機関連盟)が発表した2025年世界のトップ100GⅠ競走のランキングでは、ジャパンカップ(2400m)が世界1位、秋の天皇賞が8位、皐月賞(2000m )と有馬記念(2500m)が同率の10位であり、春の天皇賞はマイルチャンピオンシップ(1600m )と同率の60位で、日本のレースの中では8番目となっている。ちなみに、ジャパンカップと同率1位は、イギリスのチャンピオンステークス(2000m)である。

第3に、今の3200mの春の天皇賞では、スタミナを問うようなレースになっていないことである。私としては、この3番目の理由を強調したい。昨今の日本の競馬は、スピードの重要さが、軽いスピード、器用さ、仕上がりの早さ(5歳、6歳になって強くなるという晩成型の軽視という意味で)というものに矮小化されてしまっており、底力のある馬が血統として残っていかないリスクが高まっているという深刻な問題がある。

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【春の天皇賞は「真のスタミナを振り絞るレース」になるべき】

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