株以外のリスク資産はどうだろう。
不動産が有力に思えるが、不動産もずっと上がり続けており、コロナショックを吹き飛ばし、世界中で歴史的最高値圏である。住宅が最も強く、データセンター需要なども強いから、産業用地も上がっており、また、AI関連企業が大規模なオフィス需要を生み出しており、こちらも高い。
特に日本は、世界的に割安だったことを踏まえ、この10年ほどは異常な上昇で、都心のマンションが特にひどいが、これまでの異常な安値からの急騰という構造変化に伴うもので、オーバーシュートの感もあり、投資しにくい。日本の場合は今後の金利上昇も確実で、その意味でも買いにくい。
金もいまやリスク資産になってしまった
では、不動産以外のいわゆるオルタナティブ資産はどうだろう。
商品。原油。貴金属。これらは、乱高下が激しい。原油は、危機そのもののど真ん中で、激しく乱高下している。しかし、乱高下自体によりリスクが高くなってしまっているが、それよりも問題なのは、原油市場の実態を反映したものではまったくないことだ。
「停戦延長」というニュースだけで、国際指標であるWTI原油先物価格は大幅に下落する。しかし、原油の現物市場はむしろ上昇する。なぜなら、ホルムズ海峡の閉鎖期間はむしろ長くなることを意味するからだ。
最大の問題は、原油市場は、ポートフォリオとしての金融投資の対象としては、何の理屈も関係ない、完全に予測不可能な、トレーダーたちのその瞬間瞬間の都合、気まぐれに振り回されるという、もっともリスクの高いものになってしまっていることだ。
これは「トランプ病」が、トレーダーにも、そして市場にも伝染したことを示している。つまり、トランプ大統領は、ただの気まぐれで予測不可能な行動を取り、世界経済を破壊しているが、トレーダーも同様に気まぐれで行動するようになってしまい、その結果、市場の動きもまったく意味不明で、いかなる説明も不可能なものになってしまっているのだ。
では、歴史的にも最強の安全資産であるゴールド、金はどうだろう。
金ももうだめだ。金は、資金の逃避先として最強だった。現金、キャッシュが最も一般的なリスク資産から資金を引き揚げたときの逃避先だが、そのキャッシュもリスクがあるというときは、もう金しかない。行き着く先は金だった。
しかし、いまや金は安全資産とは正反対のリスク資産になってしまった。ボラティリティが高く、株式との連動性が高くなってしまっている。
しかも、その相関は大きくプラスだ。金はもはや貴金属ではなく、ただの投機対象となってしまった。財としての実需ではなく、リスク資産として、金融投資の対象となってしまったのだ。
金融資産になったということは、リスク資産市場全体のボラティリティの影響を受けるということで、もはや、オルタナティブという、伝統的な金融資産とはまったく違う資産としての価値を失い、ただの金融リスク資産になってしまったことを意味する。
しかも、金は歴史的にも異常な高値であり、とても投資を推奨できる対象ではない。暗号資産も同様だ。同様というか、金と暗号資産は非常に強く相関しており、もはや同一の貨幣もどきのハイリスク資産である。
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【「コレクター商品」も「典型的な投機対象」になってしまった】
