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ビジネス #ソニーグループ 次の「一手」

ソニーが社内の「事情通」つなぐ仕組みを作った狙い/AIで追えない現場ノウハウを吸い上げて技術革新を促進

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「AIを使いこなすためには主体性を」と新入社員に求めたソニーグループの十時裕樹社長(写真:ソニーグループ)

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「バウンダリースパナーとして、グループに大きな価値をもたらす存在となることを期待している」。4月1日、ソニーグループの入社式で十時裕樹社長はそう新入社員に呼びかけた。

この「バウンダリースパナー」という耳慣れない言葉は、「異なる組織の間のコミュニケーションや協力を促進する個人」を意味する。

2024年5月の経営方針説明会で、10年後のソニーのありたい姿を描いた長期ビジョン「クリエイティブ・エンターテインメント・ビジョン(CEV)」を示した中で、ソニーが求める人材像として提唱していた。

かつてエレクトロニクスを主力事業としていたソニーがエンターテインメントで稼ぐ会社になったことは本特集で何度も述べてきた。ゲーム、音楽、映画で営業利益の3分の2を稼ぎ出すまでになった。ただし、エレキ、半導体と合わせた5つの事業間のシナジーは十分に出せていない。

もちろん各事業の連携実績はすでにある。プレイステーションのゲームの映画やドラマへの展開、音楽事業が製作したアニメの映画事業が持つアニメ配信プラットフォームでの配信、半導体事業のイメージセンサーのエレキ事業のカメラへの搭載といった具合だ。

ただ、潜在力はこんなものではない。もっともっとシナジーを利かせられる――そのためには、異なる組織間のコミュニケーションや協力の促進が必要であり、カギとなるのは個人=人材だ、と十時社長は考えているわけだ。

バウンダリースパナーを生む仕組みづくり

では、バウンダリースパナーをどうやって生み出すか。ソニーが考え出したのが、社内の最新事情に詳しいキーパーソンを集め、人によって従業員同士をつなぐ「ポリネーターネットワーク」という仕組みだ。

ゲーム事業会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)社長などを歴任した小寺剛・現ソニーグループCDO(最高デジタル責任者)の呼びかけで、DXの一環としてグループ内に抱えるプラットフォームやサービス、ノウハウ、IPなどをつなぎ、新しいアイデアを持つ社員を支援する仕組み作りを始めた。およそ5年前のことだ。

だが、この取り組みは早々に壁に直面する。

仕組み作りを手がけたDXビジネス部門で部門長を務める平尾成史氏は、「当初の構想では社内に点在する複数のシステムを連携し、蓄積されているデータを吸い上げて、横断的に検索できるようにする仕組みを考えていた。しかし、なかなか結果が出なかった」と振り返る。

「やってみてわかったのは、最新の情報や知見は人に宿るということだった」(平尾氏)。データベースを作り、検索できるようにするという仕組みでは、登録作業の手間がかかり、更新のタイムラグもあるため、思ったように機能しなかった。

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【AIを使うが、仲介を担うのは人】

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