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ビジネス #ソニーグループ 次の「一手」

「ブラビア」分離に踏み切るソニー、"エレキ"事業の将来託すスポーツエンタメの成長秘話

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ソニーはアメリカを中心に世界の有力なスポーツ団体と相次いで提携や連携を発表している(写真:編集部撮影)

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3月31日、「ブラビア」などテレビ事業を中国のテレビ大手TCLとの合弁に移管する契約の詳細が明らかになった。

今年1月の発表時点では、家庭用のテレビ、ホームオーディオなどを移管の対象としていたが、最終契約では映像制作の現場で使われている業務用のモニターなども対象に含まれることとなった。

ソニーはマレーシアの工場と、新たに設立する「BRAVIA(ブラビア)株式会社」の株式51%をTCLに譲渡する対価として約750億円を受け取る。新会社はソニーグループの連結子会社ではなくなり、持ち分法適用会社となる。

エンターテインメント(エンタメ)シフトが進むソニーの中で、いわゆるエレクトロニクスの事業が全社の売上高や利益に占める比率は年々下がってきた。年間で約5600億円の売上高(2024年度)があるテレビ事業や、音響系事業の一部が切り離されることで、その比率はさらに低下する。

かつてグループの中核だったエレクトロニクス(エレキ)事業は、今後どうなっていくのか。こうした問いに対するソニーの答えの1つがスポーツエンタメへの積極投資だ。

ソニーは11年に「ホークアイ」というイギリスの企業を買収して以降、M&Aを絡めてスポーツに関連する事業を大幅に強化してきた。足元の売上高は350億円前後だが、27年度までにこれを約4割成長させるという強気の予想を打ち出している。

直近ではアメリカやヨーロッパの主要なスポーツ団体、チーム、テレビ局などと相次いで協業を発表。独自の技術を提供したり、共同開発を進めたりしている。

当初の想定はテレビ放送向け技術強化

01年に設立されたホークアイは、クリケットの軌道追跡アプリからスタートし、テニスのライン判定などでも徐々に利用されるようになっていた。一方で、ソニーは複数のカメラからの映像を同期させて、多くの角度からリプレイ映像を表示できる技術を持っていた。

事業会社のソニーでスポーツ事業の技術開発を統括する服部博憲氏は、「11年にホークアイを買収した当初は、あくまでソニーが持つ放送向けビジネスを伸ばすためという狙いで、現在のように多くの競技に入り込むことはあまり想定していなかった」と振り返る。

しかし、11年にソニーが買収して以降、12年にはFIFA(国際サッカー連盟)がサッカーボールがゴールに入ったかどうかを判定する仕組みとしてホークアイをテスト導入するなど、スポーツの審判支援分野でも採用が進んだ。

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【テニス、サッカーから野球、バスケへ】

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