田中さんが作った資料は、レベル1——たたき台として成り立っていない状態です。このレベルの落とし穴を理解しておくことは、たたき台を作るすべての人にとって重要です。
田中さんの資料には、価格・機能・競合比較・ターゲットといった情報が丁寧にまとまっていました。しかしこれは「現状を整理しただけ」であり、たたき台ではありません。
「選択肢を並べただけ」も、たたき台ではない
たたき台とは、仕事の構造方程式(現状×打ち手=期待する成果)でいえば、「期待する成果につながりそうな打ち手の案」を示したものです。現状の整理は必要ですが、それだけではたたき台にならないのです。
課長が「どうやって売るの?」と言いたくなるのは当然です。打ち手が何も示されていないからです。
少し進歩したパターンとして、打ち手の選択肢を並べることがあります。
案2:新規開拓を増やす
案3:代理店経由での販売を強化する
一見するとたたき台っぽく見えますが、これも実質的にはたたき台として機能しません。選択肢を列挙しただけで、推奨案が選ばれていないからです。
「結局どれが良いと思うの?」と聞かれて答えられなければ、たたき台としての役割を果たしていません。なぜこの3択なのか、他の選択肢はないのか、それぞれの根拠は何かという点も不明です。
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【「たたき台を作る」の本当の意味】
