インドネシアの首都ジャカルタ近郊ブカシで27日夜に起きた通勤電車と長距離列車の衝突事故では、15人が死亡、88人が負傷し、生存者の救出活動は完了した。
女性専用車両が最も強く衝撃を受けた。救助当局によると、犠牲者は全員女性で、大半が押しつぶされた車両に挟まれた状態だった。大破した車両から生存者の救出にはアングルグラインダー(電動切断機)が必要で、車両を切断しながら慎重に作業を進めたという。
国営アンタラ通信が伝えた運輸相の説明によると、ブカシ・ティムール駅付近の踏切でタクシーが立ち往生したことから事故が発生した。通勤電車がホームに停車を続け、そこに長距離列車が衝突したという。
タクシー運営会社のグリーンSMインドネシアはインスタグラムで、事故に関与したタクシーは同社の車両だと認めた。捜査に協力するため当局に情報を提供したとしている。
グリーンSMインドネシアは、ベトナムの複合企業ビングループ傘下の電気自動車(EV)タクシー運営会社グリーン・アンド・スマート・モビリティーのインドネシア部門。
インドネシア国家運輸安全委員会(KNKT)が事故原因を調査している。
プラボウォ大統領は負傷者が治療を受けているブカシの病院の1つを訪れた後、線路付近に高架橋を建設することに同意したと表明。当局が衝突事故を調査するとした上で、鉄道網の大部分で保線が不十分だと指摘した。
「通勤列車は労働者階級の象徴」
世界有数の人口を抱えるジャカルタで通勤鉄道は混雑が激しい交通機関。インドネシア国鉄のクレタ・アピ・インドネシア(KAI)は28日、事故の影響で複数の通勤電車の運行を打ち切った。
シンクタンクであるフォーラム・トランスポート・フォー・ジャカルタの幹部は、長距離と通勤列車の線路分離など政府は老朽化した鉄道網を改善する必要があると指摘。「通勤列車は労働者階級の象徴だ。政府にとって本格的に改善に取り組む大きな警鐘となる」と語った。
2024年に西ジャワ州で起こった列車衝突事故では4人が死亡、数十人が負傷した。
