もちろん、飲酒量を減らすことも大事です。
ただ、肝臓を守るために節酒を勧めても、患者さんから返ってくるのは、「お酒を飲まないと眠れないから、やめられない」という声です。
確かに、アルコールには一時的な入眠作用があるため、寝酒として使われがちです。しかし、これは大きな誤解です。
アルコールは睡眠の質を著しく低下させ、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」を引き起こします。結果として日中の疲れがとれず、そのストレスでさらに酒量が増えるという“最悪のループ”に陥りかねません。
もし「お酒なしでは眠れない」と感じているのなら、それはむしろアルコール依存の兆候や、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が背景に隠れているサインです。この場合は、睡眠外来などで適切な治療を受けること。それが、結果としてあなたの肝臓を救う最短ルートになります。
肝臓を守るためにすべき対策
肝臓の健康を取り戻す王道は、やはり減量と食事・運動の改善にあります。
■減量
目標は“現在の体重から10%以上減”です。70kgの人は7kgの減量を目指します。わずか体重の3〜5%の減量であっても、肝臓に対しては改善メリットが現れることがわかっているので、まずは「ちょっとでもやせよう」という気持ちで臨むといいでしょう。
肥満度の高い人で自力での減量が困難な場合、医療の力に頼ることも賢い選択です。
近年、糖尿病や肥満の治療薬として注目されている「GLP-1受容体作動薬(セマグルチドなど)」は、肝臓の脂肪を減少させ、線維化を悪化させることなく、脂肪肝炎を改善させる効果が報告されています。
気になる方は、かかりつけ医や肥満外来などで相談されるとよいかもしれません。
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【運動は「エクササイズスナック」が効果的】
