東洋経済オンラインとは
ビジネス

あなたに逮捕状が出ています…レターパックで届く偽の「逮捕状」なぜ信じてしまう?被害額985億円巧妙すぎる詐欺の手口

7分で読める
偽の逮捕状
偽の逮捕状が送られてくる詐欺が多発している(偽の逮捕状は愛知県警提供、写真:編集部撮影)
2/4 PAGES
3/4 PAGES

次に「警察に引き継ぎます」と言って通話を移し、ようやく警察官役が登場します。「兵庫県警」や「千葉県警」など被害者の居住地と無関係な遠方の警察に引き継ぐ流れが目立ちます。

遠方の警察署を名乗れば、被害者は直接出向いたり、確認の電話を入れたりしにくくなります。さらに、「遠くの警察がわざわざ連絡してきた」という心理的圧力も生まれます。

信じ込ませる小道具になっているのが、ビデオ通話に映る制服姿や警察手帳、そして偽の逮捕状です。LINEなどのメッセージアプリに誘導し、ビデオ通話で警察手帳のようなものをかざし、続いて被害者本人の名前が記された逮捕状画像を送りつけます。

ビデオ通話を使って制服姿で警察手帳を見せるニセ警察官。実際に警察官がこのようなことをすることはないという(画像:愛知県警提供)

26年1月、愛媛県新居浜市の20代男性は、「あなたに被害届が多数出ている」と言われ、SNSアプリで名前が入った逮捕状の画像を送り付けられました。そして、資金調査の名目で金銭を要求され、230万円を振り込んでしまいました。

また、26年3月、北海道旭川市の30代男性は、千葉県警を名乗る男から「逮捕した詐欺犯があなたを知っていると話している」と告げられ、LINEのビデオ通話で警察手帳と逮捕状を見せられたうえ、パソコンに遠隔操作アプリまで入れさせられました。その後、計5150万円を騙し取られています。

「守秘義務があるから家族にも話すな」「電話を切るな」と長時間の通話を強要するのも常套手段です。誰かに相談されればすぐに嘘がばれてしまうからです。恐怖、権威、孤立。この3つを同時につくり出すのが、信用構築の正体と言えます。

資金調査や保釈金を名目にあらゆる方法で資産を奪いにくる

信じ込ませたあと、犯人はいよいよ本題に切り込んできます。要求の名目は「資金調査」「マネーロンダリング容疑なので口座のお金を確認する」「身体を拘束する代わりに資産を拘束する」「潔白を証明するため」「保釈金」など多彩です。いずれも法的にあり得ないものばかりです。

受け渡し方法も、振込だけにとどまりません。警察庁によると、振込型はニセ警察詐欺の約8割を占めているものの、足が付かないように色々な手口が確認されています。

次ページが続きます:
【電話を切り、家族や警察に相談することが最大の防御策】

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象