女性は指示どおり集合ポスト前に現金を置き、計約2600万円を失ってしまいました。さらに約1000万円を要求された段階で、金融機関からの通報で警戒していた捜査員が、現金回収役として訪れた台湾出身の22歳の男を詐欺未遂容疑で逮捕しました。
男は「SNSで荷物を受け取る仕事を見つけた」と供述しており、闇バイトで集められた受け子だった可能性があります。
また、25年9~10月には佐賀県の50代女性が被害に遭いました。発端は「この番号が犯罪に使われた」という自動アナウンスの電話です。続いて登場した警察官を名乗る男から「投資詐欺にあなたの口座が使われていた」と告げられ、SNS経由で逮捕状の画像まで送られてきます。
話を信じ込んだ女性は1週間にわたって金融機関に通い詰め、1回に約200万円ずつ送金を続け、合計1397万円を失いました。被害が判明したのは、金融機関側が「毎日多額の送金をしている人がいる」と警察に通報したことがきっかけです。
1週間にわたって銀行に通い続けても、本人が詐欺を疑ったり、家族や金融機関職員に相談したりする余裕を奪われてしまうのが、この手口の恐ろしいところです。
SNSを使いこなす世代には画像、使いこなせない世代には郵送物を使い分ける周到さがうかがえます。また、ハイブリッド型として、コンビニのマルチコピー機で予約番号を入力させ、偽の逮捕状を印刷させる手口も確認されています。
恐怖と権威で正常な判断を奪う心理的支配の手口
ニセ警察詐欺は、逮捕状を見せて被害者をパニックへ追い込みながら、同時に「これは公的な手続きだ」と信じ込ませるのがポイント。そのため、まずは下ごしらえとして、最初から警察官を名乗らないケースも少なくありません。
総務省や薬局、NTT、郵便局など、日常的で警戒心を抱きにくい相手から「あなたの電話番号が犯罪に使われている」「保険証が悪用されている」と切り出してきます。
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【資金調査や保釈金を名目にあらゆる方法で資産を奪いにくる】
