話が少しそれるが、私が愛用しているのは、パイロットの「waai(ワーイ)」というペンだ。オフホワイトの本体は、主張しすぎず、手元にあるだけでどこか心を穏やかにしてくれる。そこに「フリクションシナジーノック 0.5mm ブラック」の芯を合わせるのが、私のお気に入りである。自分に合った道具をちゃんとそろえるのは、儀式を続けていくうえで大事なことだと思っている。
自分なりの「儀式」を持つということ
私の場合は日記が儀式であるが、何が儀式になるかは人それぞれだろう。
ある人にとっては、お気に入りの音楽を聴くことかもしれないし、ペットと遊ぶことかもしれない。お風呂にゆっくり浸かることや、好きな紅茶を淹れることでもいい。大切なのは、その行為が「仕事ではない世界」への入り口になることだ。そして、それを意識的に、繰り返し行うこと。一度や二度ではなく、習慣として続けることで、身体と心が「ああ、今から切り替わるんだな」と理解していく。
今の私には、寝る前に日記を書く、という儀式がある。
完璧ではない。それでも、以前よりは確実に仕事から離れることができるようになった。
どれだけ時間があっても、心が仕事に縛られていたら、休んだことにはならない。逆に言えば、仕事から離れる術を持っていれば、限られた時間の中でも、ちゃんと休むことができる。そう考えると、勤務時間を減らすことや、休日を増やすことと同じくらい、あるいはそれ以上に「仕事から離れる儀式」を持つことが、私たちには必要なのだと思う。
今夜も私は日記を開く。そして最後の1行を書き終え、静かにノートを閉じる。何者にも邪魔されない、私だけの時間を守るために。

