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WBC騒動で政府も動き出したけれど… "視聴の自由"を約束する「ユニバーサル・アクセス権」が"魔法の杖"にはならない理由

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WBC
ネットフリックスでしか見られなかった今年のWBC。ついには政府も動き出す事態に…(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
  • 境 治 メディアコンサルタント

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2026年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)はNetflix(ネットフリックス)の独占配信となり、地上波テレビ放送で視聴できなかった。多くの人々、とくにネットに疎い高齢者が不満を抱いたのは当然だろう。

こうした事態を受けて、松本洋平文部科学相がスポーツ中継のあり方を議論する有識者会議を立ち上げると表明した。議論のキーワードとして浮上しているのが「ユニバーサル・アクセス権(UA権)」。国民的関心の高いスポーツイベントを、誰もが自由に視聴できる権利だ。

このUA権を制度化すれば、次のWBCを誰もが視聴できるようになるのだろうか。そう簡単ではないと私は考えている。

韓国は本当に“成功事例”なのか

世間では「韓国にはUA権があるからWBCを地上波で見られた」という話が広まっている。確かにそれは事実だ。しかし、韓国モデルを理想視するのは早計だ。その制度には穴があった。

韓国でWBCが地上波で放送されたのは、権利を取得した配信サービスTVING(ティービング)が地上波テレビ3局(KBS、MBC、SBS)に放送権を配分したからだ。UA権の制度がうまく機能した。

だが6月のサッカーW杯(ワールドカップ)では、放映権を獲得した有料放送JTBCと地上波各局との交渉が難航し、政府介入の可能性まで取りざたされている。ミラノ・コルティナオリンピックでも同じようにJTBCが単独中継し、地上波中継がなかった。

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【UA権には別の問題もある】

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