「現地ではサインマニュアルに定められているのとは異なる仕様になっているものがあったり、行間、文字位置や大きさが微妙に異なっていたりと、そこへ行かないとわからないものが多い。しかも、なぜそうなったのかがわからないものがほとんど。駅名板はホームごとに仕様が違うことも多いので全ホームを周る」とのことで、こうした細部を惜しみなくグッズに落とし込む。
駅の看板に修正したテープ痕があれば、それも記録する。そうした些細な“個性”がその路線を使っていた人々に強く刺さる。先述の500系グッズでは東京駅に掲げられていた、500系特有とも言える乗降口の位置がほかの車両とは異なる旨を伝える看板すらグッズの中に落とし込んだ。
「500系の東海道新幹線乗り入れ終了が迫る中、運行本数が徐々に変化していく看板表記や経年劣化も当時の記録写真を調べ尽くして反映させた」。まさに“わかる人にだけわかる”ものだが、氏のこだわりがわかってしまうと唸らずにはいられない、とっておきの仕掛けとも言えよう。
「0キロポスト」を商品化したい
そんな山田氏が「どうしても商品化したかった」というのが東京駅にある、東海道新幹線の0キロポストと建設記念碑だ。これらはフロアマットとソファクッションとして商品化した。「もともとホーム上に埋め込まれているものなので、フロアマットは相性がいいと考えていた。
ソファクッション化の理由としては、これなら商品化できるかなというのが第一で、まずは商品化することが目的だった」。世界初の高速鉄道である東海道新幹線の存在を「より身近に感じてほしくて商品化にこだわった」と思いを述べる。
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【開発にかかるプレッシャーも】
