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JRグループだから実現、「鉄道グッズ」開発の舞台裏 駅名看板のタオルから食堂車のカレーまで

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接客する新幹線パーサーが手に持つ駅看板はタオルになっている (2025年4月15日、筆者撮影)
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店内に所狭しと並べられているのは同社が手がけてきた鉃道グッズで、その内容も小さな子ども向けのものや、往年の食堂車の味を再現したレトルトカレーなど、ライトな鉄道ファンにアプローチするものから、新幹線の座席シートモケットデザインを取り入れたネックピローや、特定の車両にまつわる音が楽しめるアクリルスタンド、松阪駅構内にある、知る人ぞ知る階段横の特徴的な看板を模したタオルなどがそろう。豊橋に停車する「ひかり」が発着する時間帯には、豊橋が起点となる在来線の飯田線関連グッズがよく売れるなど、駅構内実店舗ならではの傾向も面白い。

駅看板デザインのタオルのように思わず「なぜこれをグッズにしようと思ったのか」と鉄道ファンを自負する筆者としても疑問に思ってしまうものもあり、グッズのバラエティは豊か。中には東海道新幹線を走った経歴を持ちながら、JR東海の所属ではないことから東海道新幹線関連のグッズとしては製品化されてこなかった500系新幹線車両のグッズもある。「500系も東海道新幹線の歴史の中で大切な仲間だから」と話すのはJRプラス・コマースDX推進部に所属する山田雄大氏だ。これまで社内で数々の鉄道グッズを企画してきたキーパーソンである。

グッズ開発に携わるJRプラス・コマースDX推進部 山田雄大氏。自身も鉄道愛が深い(写真:筆者撮影)

こだわるのは”実地調査”

「お客さまが普段使われている駅や列車など、“なにげない日常で見えるもの”を意識してグッズ開発にあたっている」と山田氏は話す。単に鉄道ファンに訴求するマニアックなグッズを開発するのではなく、「日常の中の記憶や旅に関連づいた思い出を想起していただけるようなグッズを目指している」という。そんな氏のグッズ開発の裏側に迫ってみたい。

2026年は愛知県を走るJR東海武豊線が開業140周年を迎えた。「企画立案時はまず、これから迎えるJR東海管内の開業周年行事や車両の引退などのトピックスを探し、企画を考える」という山田氏。2025年より山田氏は武豊線のグッズを企画。同線を走った列車のキーホルダーや行先表示、駅名板をデザインした、チャーム、クリアファイルなどを発売した。

こだわるのは“実地調査”だ。JRプラス であればJR東海管内の駅名板や列車の設計図など、図面や公式資料などグッズ化の際に役立つであろう資料がすぐに手に入る環境下であることは容易に想像できる。しかし、基本的に「そうしたことはしない」という山田氏。「サインマニュアルなど、JR東海公式の資料はあるのですが、それを写しただけでは単なるサインのコピーになってしまう」。製品開発時にはその路線に実際に足を運び、目に止まったものをすべて資料として写真に残してゆく。

【写真を見る】JRグループだから実現、「鉄道グッズ」開発の舞台裏 駅名看板のタオルから食堂車のカレーまで(16枚)

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【細部をグッズに落とし込む】

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