5200系の登場前、長距離用の一般車両には4ドア車で対面固定式クロスシート(ボックスシート)の「2610系」があった。2610系は、国内初の4ドアクロスシート車である「2600系」や、冷房装置が付いた「2680系」の量産車の位置づけで1972年にデビューした。5200系が投入されるとロングシートに置き換えられていった。
5200系はアーバンライナー同様、当時の時代を反映するような洗練された印象の外観で、1988年のグッドデザイン賞を受賞している。
3ドアで転換クロスシート
側面は3つのドアの間に5連続窓が並ぶ。当時すでに近鉄の通勤車両はアルミ製車体が標準だった中、5連続の窓を備えつつ強度を高めるため、車体は鋼製だ。
窓の周りが「マルーンレッド」でそのほかは「シルキーホワイト」というツートンカラーはほかの一般車両と同じだが、前面のマルーンレッド部分は80mm張り出しており、種別標識灯が組み込まれている。貫通扉のほろ枠が目立たないように工夫したという。登場時は車体の裾にもマルーンレッドのラインが入っていた。
先頭の乗務員室の窓には曲面ガラスを採用。中央の貫通扉の窓ガラスは縦に長く、一般車両ながら小さな子供でも車内からの“前面展望”が楽しめる。
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【「理想的な通勤車両」を目指した】
