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「病院で患者を待つだけが仕事じゃない」 起業した看護師が切り拓く、社会システムの谷間を埋める"新しい看護"のかたち

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子どもと男性
「産前産後の女性と支えたい」と起業した増田雄太氏※一部加工しております(写真:エイトカラーズ提供)
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同社を立ち上げたのは、増田雄太(44)・綾(44)夫妻。

雄太氏は精神科看護師、大学教員、綾氏は助産師。専門性を持つ2人が、それまで主宰していた地域の「ママサークル」をきっかけに、「産前・産後、子育て期で困っている家族を助けたい」と、全国でも珍しい子育て世代に特化した精神科訪問看護事業を始めた。

子育てサポートに向かう増田雄太氏(写真:エイトカラーズ提供)
社内で打ち合わせ中の増田綾氏(写真:エイトカラーズ提供)

利用者は30代の女性と0歳の乳児が中心。現在は、精神疾患、愛着障害、発達障害、死産・流産の経験、両親ともに児童養護施設で育った家庭など、複雑な背景を持つ150家族の支援にあたっている。

支援の内容は訪問看護で可能とされている支援の枠を大きく超え、子育て支援サービスや保育園探しのサポート、福祉手続きの書類作成、関係機関との会議への参加まで及ぶ。

部屋を片付けられない母親

増田さんらは、「社会のどの制度からも抜け落ちて、谷間に落ちる家族を誰が支えるのか」という問いと、ずっと対峙し続けてきた。

同社が関わったことで精神科受診につながった母親が、数年かけて自身の症状と向き合えるようになったケースがあるほか、親の精神疾患から、子どもが児童相談所に行っていたかもしれない状況を、支援によって防いだケースもあるという。

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【子どもがいるおかげで…】

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