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PM4時に時短社員は退勤→尻拭い続けた彼は限界迎え辞表を…"柔軟な働き方"がもたらす「助け合えば大丈夫」じゃない現実

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優秀な社員
負荷の偏りが現場を疲弊させた事例をご紹介します(写真:8x10/PIXTA)
  • 安東 邦彦 ブレインマークス代表取締役
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この構造は、文化では解決できません。仕組みで切り離す必要があります。たとえば、電話の一次対応は外部に委託する。問い合わせはフォームに集約し、即時対応が必要なものと翌営業日で対応可能なものを分ける。夕方以降のトラブル対応は、当番制で曜日ごとに固定する。「できる人が対応する」という曖昧な運用を残せば、結局同じ人に負荷が集中します。判断基準は一つです。

「Bさんが定時で帰った日でも、業務が回るか」

もし回らないのであれば、それはエースに依存しているのではなく、エースを犠牲にして成立している組織です。

A社に足りなかったのは、優しさや感謝ではありませんでした。「マイクロシフティングに耐えられる構造・仕組み」を整えること。必要だったのは、ただそれだけのことだったのです。

属人化を解き、情報を可視化

マイクロシフティングは、人手不足時代を生き抜くための避けては通れない選択肢です。しかしそれは、従業員を優遇するための福利厚生ではありません。時間に縛られなくても成果が出るよう、仕事そのものを設計し直す。経営の最も高度な挑戦です。

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属人化を解き、情報を可視化し、その場対応から現場を解放する。この2つは、小手先の業務改善ではなく、組織のOSを書き換える仕事です。ここに手をつけないまま制度だけを入れれば、必ず誰か(組織の中で最も責任感が強く、最も誠実なエース)がその歪みを引き受けることになります。A社のBさんが、そうだったように。

問われているのは、働き方の柔軟性そのものではありません。その柔軟性を、現場を壊さず、成果に変える「経営の設計力」です。制度を入れることは、誰にでもできます。しかし「明日、Bさんを定時で帰すために、自分は何を変えるか」。この問いに具体的な答えを出せる経営者だけが、マイクロシフティングを武器に変えられます。

自由は、放っておけば誰かの善意を食い潰す。しかし設計されていれば、組織を強くする。その分岐点は、経営者が現場の痛みを自分の宿題として引き受けられるかどうか、ただその一点にかかっています。

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