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高市首相の神通力も地方では通じない? 地方首長選で相次ぐ「自民党候補敗退」から読み解く有権者心理の"大きなうねり"

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高市首相ら
自民党大会で拍手する(左から)鈴木俊一幹事長、高市早苗首相、麻生太郎副総裁(写真:ブルームバーグ)
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ただ、地元関係者は「そもそも福岡8区に麻生票は『あるようでない』と言われる。地元の支援者たちがガッチリと固めるというよりも、麻生財閥の力で企業票を掘り起こすという戦法で勝ってきた」と話す。

それでも、自民党と公明党の推薦を受けた赤間氏は14年の市長選で不戦勝し、18年の市長選では1万1094票、22年の市長選では8791票を獲得して当選してきた。にもかかわらず、今回は5515票しか得られず敗退した。この票数は、過去の国政選挙の結果から推定される自民票約5000票と公明票約3000票の合算を大きく下回る。

有権者が求めた「新鮮さ」

「若手の躍進」も19日の首長選の特徴の1つといえるだろう。

愛知県あま市長選では、39歳の八島堅志氏が1万3940票を獲得。自民党と日本維新の会の推薦を得て、4期の実績を誇る63歳の現職・村上浩司氏を2077票差で下した。埼玉県久喜市長選でも、3万8077票を獲得した39歳の貴志信智氏が、3期目を目指した現職・梅田修一氏を1万6628票差で下した。村上氏と梅田氏には片山さつき財務相が応援に入っていた。

宮崎県小林市長選でも、41歳の堀研二郎氏が8544票を獲得し、自民党の推薦を得て3期目を目指す63歳の現職・宮原義久氏を1355票差で下した。堀氏は11年にUターンで地元で就農し、23年の市議選で当選。あま市長選で当選した八島氏と久喜市長選で当選した貴志氏には、若手市議からの転身組という共通点がある。

福岡県朝倉市長選で1万0031票を得て当選した中島秀樹氏も市議からの転向組だが、07年から5期務め、市議会議長も経験したベテランだ。地元関係者は「林裕二前市長は県議を7期も務めた重鎮だったが、18年に病気に倒れた森俊介元市長から市政を託され、市長に就任。しかし75歳という年齢もあって、3期目を目指す今回の市長選は、自民党や農政連などからの推薦を得たが、もともと苦戦が予想された」と話す。

そのためか、投票率は46.33%と史上最低を記録。その中で子育てや女性支援を訴え、外国人向けのマンション建設に反対を唱えるなど、若い住民層へのアピールに余念がなかった中島氏が優位に立ったといえるだろう。

なお、4人の候補が乱立した滋賀県近江八幡市長選では、菅直人政権で外務大臣政務官を務めた徳永久志氏が、その知名度を生かして9853票を獲得して初当選。小西理前市長から後継指名を受けた重田剛氏には、地元・滋賀2区選出の上野賢一郎厚生労働相や、彦根東高校出身の細野豪志衆院議員らが応援に駆けつけたが、かなわなかった。

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【自民党の勢いは消えてしまったのか】

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