「正統な続編の考え方で言うと、新手のアンノウンが現れて、地球がもう1回危機に陥ったところに、主人公の翔一が再び立ち上がって戦うという物語になる、ということだと思います。
そんな、敵が復活して、往年のヒーロー再集合、みたいな作品だったら、『アギト』でなくても他のライダー作品でもいい。なんならライダーでなくてもいい。
でも、今回はそういった怪人の復活ではなく、人間と人間との戦いという、元のオリジナルにあった要素を主軸に添える。それは『アギト』でないとできない作り方だなと思います」
「仮面ライダー」をタイトルに入れない理由
仮面ライダー55周年記念作品でありながら、『アギトー超能力戦争ー』というタイトルには「仮面ライダー」の文言がない。
「ポスターに『仮面ライダー生誕55周年記念』とか『THE KAMENRIDER CHRONICLE』とかが付くであろうことを考えると、全部読み上げたときに何回言わせるんだと、うるさいだろうなと思ったんです」と白倉プロデューサーは笑う。
「東映の中にいると、仮面ライダーっていう存在に慣れすぎちゃって。ポスタービジュアルひとつとっても、こういう風に作るもんだっていう固定観念みたいなものが出来上がっているんだと思うんです。でも、みんなが仮面ライダー業界の文脈の中で生きてるわけじゃないから、それはお客さんには関係ないことですよね」
その言葉を裏付けるように、本作の物語もわれわれの想像を裏切るものとなっているが、これは今という時代を生きる“人間”、氷川誠の戦いとしての現代性を帯びている。
物語の舞台では、近年、アンノウンによる事件は起きておらず、Gユニット(警視庁未確認生命体対策特殊武装班)は過去の遺物とされ、事実上の活動休止状態になっていた。
Gユニットの管理官である小沢(藤田瞳子)は閑職に追いやられ、かつて「アギト」の力で人類を守った翔一(賀集利樹)はレストランのシェフとして静かに暮らしていた。そして本作の主人公である氷川は、とある罪によって刑務所の中にいた――。
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【統一的なイメージがつくりづらい】
