緑茶を例に考えてみるとわかりやすい。
ペットボトルの緑茶は「お〜いお茶」を筆頭に、「伊右衛門」や「綾鷹」といった、いわゆる「緑茶らしい」定番商品が市場を占有している。
そうした中、アサヒ飲料が2023年に「颯(そう)」を発売し、「味と香りに賛否両論」というキャッチコピーで商品の特徴をアピールした。同商品は一時的には話題にはなったが、25年にリニューアルを余儀なくされていた。
お茶ではないが日常的に飲まれるものとして、ビール業界におけるアサヒビールの「アサヒスーパードライ」のように、味で差別化してトップシェアを奪取した後発商品もあるにはある。
だが、消費者ニーズとトレンド変化をよほどうまく捉えて、それに寄り添った巧みな商品を開発しない限り、成功はおぼつかない。
「エンタメ要素」と販売チャネルが差別化ポイント
では、味以外の部分で差別化を図るにはどうすればよいのだろうか?
思いつくのが、素材や成分、製法などで差別化を図る、健康や美容の効能を訴求する――といったやり方だ。
しかし、これは裏付けとなる「事実」が必要になるし、開発、生産コストも上がる。薬機法(旧・薬事法)、景品表示法(景表法)、食品表示法といった法律、規制の網の目もあり、それをクリアするのは難しい。
そもそも、ヒカキンさんがプロデュースする商品で、これらを売りにする意味は薄いだろう。
「伊右衛門」や「綾鷹」のように、「本格路線」を打ち出すという方法も考えられるが、そもそも麦茶で「本格」や「高級」をうたうことは難しいだろう。
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【麦茶が「退屈」で「地味」な飲み物だというのは、事実】
