子どもと一緒に寝ている状況を、上の句で生き生きと描写しています。単に「隣で寝ている」などと、ざっくり言ってしまわないところがいいですよね。
さりげない表現ですけれども、「子どもの寝息がかかるくらいの距離なのかな」「子どもの足が自分のお腹の上に乗っているのかな」などと想像できて、本当に近いことが伝わってきます。
そして下の句が、「季節を問わずゆたんぽいらず」と続くことで、物理的なあたたかさと、精神的なあたたかさの両方を感じ取ることができます。
子どもの体温の高さを「あたたかい」「暑い」という形容詞ではなく、ゆたんぽにたとえたところに横澤さんらしさが出ていると思います。
「いらず」という表現も◎
さらに、「いらず」という表現を使っているのもポイント。
実際は暑くて寝苦しいこともあるはずだけれども、「ゆたんぽがなくても大丈夫だよ」というような、肯定的なニュアンスで着地していて、ママの優しい眼差(まなざ)しが感じられます。
この歌が番組で紹介されたあと、視聴者に冬の短歌を募集をしたところ、子どもを「ゆたんぽ」や「ホッカイロ」にたとえた歌が多く集まりました。真似とかではなく、横澤さんの短歌に共感した気持ちが火種のようにみなさんの心に残って、知らず知らずのうちに短歌に表れたのでしょう。
それほどママたちの心をつかんだ歌なのだなと、視聴者の方々の短歌を読みながら、うれしい気持ちになりました。
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【「も」の使い方に要注意】
