「股関節の違和感を“引っかかる感じ”と表現される方もいます。また、股関節をかばうことでほかの部位に負担がかかり、腰やお尻、太ももに痛みが出たり、股関節周辺の血流が悪くなって、下半身にしびれを感じたりする場合もあります」(狩谷医師)
進行すると安静時にも痛みが出るほか、脚の長さに左右差が出る、片足を引きずるように歩く、体を左右に揺らしながら歩くといった症状が見られるようになる。歩き方については、自分では気づかず、家族から指摘されることが多いそうだ。
また、痛みのため活動量が減って体重が増え、さらに股関節に負担がかかるという悪循環が起きやすいのも、この病気の特徴だ。
多くの人は多少の痛みや違和感があっても、股関節をかばいながらだましだまし生活している。「40~50代になって子育てが一段落し、自分の体をケアすることに意識が向いたときに受診するケースが多い」(狩谷医師)という。
股関節を守るためのポイント
変形性股関節症の治療は大きく分けて、運動療法や薬物療法、生活の改善などを行う「保存療法」と「手術」がある。変形性股関節症の治療というと“人工股関節の手術”というイメージがあるが、初期であれば手術をしなくても症状が改善することもある。
「X線などの画像で軟骨が少しすり減り、臼蓋と大腿骨頭のすき間が狭くなっている程度であれば初期なので、まず保存療法を実施します。特に体重の管理や股関節周辺の筋力トレーニングは欠かせません」(狩谷医師)
狩谷医師に保存療法として、次の5つを挙げてもらった。このうち②~⑤は予防としても行いたいセルフケアだという。
① 薬物療法
最も使われるのが非ステロイド性消炎鎮痛薬で、炎症や痛みを抑える。
「根本的な治療ではなく、副作用の問題もあるので、ほかの保存療法によって痛みが軽くなれば、使用を中止します」(狩谷医師)
次ページが続きます:
【予防として行いたいセルフケア】
