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日銀の追加利上げ、5割超のエコノミストが6月予想 中東情勢の緊迫化を受けてやや後ずれ

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(写真:ブルームバーグ)
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Photographer: Aaron Schwartz/Bloomberg

植田和男総裁は16日、訪問先のワシントンで会見し、中東情勢を踏まえた政策対応は、原油高に伴う物価上振れと交易条件悪化による景気下振れの両方のリスクがあり、「非常に難しい」と説明した。その上で、日本の実質金利は非常に低いとし、「金融環境は非常に緩和的であることも考慮しつつ」政策を決めていくと語った。

日銀が重視している基調的な物価上昇率への中東情勢の影響を今回調査で尋ねたところ、「上振れリスク」との回答が74%となり、「下振れリスク」の8%を大きく上回った。政策対応が遅れるビハインド・ザ・カーブに陥るリスクが高まっているかとの問いには、「はい」が45%、「いいえ」が37%となり、前回調査とほぼ同じだった。

T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジストによると、「日銀の利上げは遅れており、もう少し早いペースで利上げすることが望ましい」という。4月に利上げが行われなければ、対ドルで「163円程度までの円安進行が起こりうるだろう」とみている。

日銀が今会合で現状維持とした場合、政府が為替介入に踏み切るリスクがあると67%が答えた。介入に動く水準に関しての回答の中央値は162円と、3月調査の161円から円安方向に振れた。

展望リポート

今会合では四半期ごとに公表している経済・物価情勢の展望(展望リポート)を議論し、最新の見通しを示す。関係者によると、原油価格の上昇を主因に、2026年度のコアCPI見通しは従来の前年比1.9%上昇から大幅な引き上げとなる公算が大きい。エコノミスト予想の中央値は2.3%上昇となった。

岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、展望リポートのリスクバランスや原油高に伴う基調物価への影響などに注目している。コアCPI見通しは引き上げの公算が大きいとし、経済見通しの修正によって、「原油高による景気下振れリスク、基調物価への影響をどのように評価しているか確認したい」と語った。

新たな展望リポートでは、見通し期間の最終年度が従来の27年度から28年度に延びる。これまでは2%の物価安定目標の実現時期について、25年度から27年度までの見通し期間の「後半」としていた。中東情勢を受けたシナリオの再点検を踏まえ、達成時期が変化するかも焦点となる。

調査の物価目標の達成時期に関する質問に対しては、78%が「文言を変更し、目標達成時期に変更がないことを示唆」すると回答した。26年度後半から27年度中がイメージされる目標実現時期について、現行シナリオから大きな変化はないとの見立てとなっている。

著者:伊藤純夫、Cynthia Li

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