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中東情勢は不安定な状態が続いている。
原油輸送の要衝であるホルムズ海峡は現在も実質的な封鎖状態だ。一時、イランは商船に対する開放を宣言したものの、イランが航行を認めている船舶に対するアメリカの海上封鎖(逆封鎖)が続いていることを理由に、再び海峡の封鎖を発表。依然として不透明な状況が続く。
日本は原油輸入の約95%を中東に依存しており、元売り大手各社は安定供給維持のため、スポット市場での調達や代替調達先の確保に奔走している。
4月17日には「ENEOS GLORY」など複数の石油タンカーが日本の出光興産やENEOSホールディングスの基地に到着した。これらは日本国外に向かっていた別のタンカーから中東産原油を受け取ったとみられる。
平時に日本勢が中東から調達する原油は、洋上積み替えなどは行われず、国内基地まで直航する。「石油製品ならまだしも、原油そのものを積み替えて調達している点も異例」(業界関係者)という。
販売価格が「割安指標」連動に
短期的に元売り各社の経営を悩ませるのは調達難だけではない。「逆ザヤ」の発生だ。
発端は資源エネルギー庁が元売り各社に対して、卸売価格を決める際の指標をドバイから北海ブレントに切り替えるよう求めたことだ。
ホルムズ海峡封鎖以降、原油の中でも中東産の供給が圧倒的に不足。ヨーロッパのブレントや、アメリカのWTIといったほかの原油価格指標と比べ、ドバイ原油が突出して急騰し、ドバイ原油とブレント原油の先物価格の値差は一時30ドル以上に達した。その後、値差は縮小傾向で、足元ではドバイが5~10ドル程度上回る状態が続いている。
元売りは通常、仕入れ、販売ともにドバイ原油に連動した価格で取引を行っている。エネ庁の要請通り販売価格のみブレント連動となった場合、この差額分は元売りの「手出し」となる。その影響額は1か月で数百億円とも言われる。
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