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消費者の値上げ受け入れや緩和的金融環境で企業業績は改善。日銀利上げと日本株上昇両立するが、懸念はホルムズ海峡

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4月7日のアメリカとイランの停戦合意後にオマーンでホルムズ海峡の通過を待つ船舶(写真:Getty Images)
  • 阿部 健児 大和証券 チーフストラテジスト

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金融市場では、日本銀行が2026年内に2回の25ベーシスポイント(bp)利上げを行うという見方が有力だ。春闘賃上げ率が3年連続で5%以上となる可能性が高まったことや、日銀が現在の金融環境を緩和的と判断していることなどが背景にある。

もし予想どおり26年内に2回の利上げが行われると、日銀の利上げは24年3月と7月、25年1月と12月に続く5〜6回目となり、政策金利は1.25%に達する。24年3月の利上げ開始前の政策金利は▲(マイナス)0.1%であったため、引き上げ幅は1.35ポイントとなる。

2年で株価は40%以上上昇

日銀が利上げを始めた24年3月18〜19日の金融政策決定会合直前のTOPIX(東証株価指数)は2670.80ポイントだったが、それから約2年が経過した26年4月16日に3814.46ポイントに達し、40%以上上昇した。一般に、中央銀行による利上げは金融環境厳格化を通じて株価にネガティブな影響を与えると懸念されることが多いが、ここまでの約2年間は日銀による利上げと株価上昇が両立してきた。筆者はこれには大きく3つの理由があると考えている。

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1つ目は、日銀による利上げの背景に日本のゼロインフレ脱却、すなわち企業による値上げおよび価格戦略の復活があったことだ。日本がゼロインフレに陥っていた間は、企業は製品やサービスを改善しても価格に反映することが難しかった。ところが日本がゼロインフレを脱却し、消費者が価格上昇を受け入れるようになると、企業は商品・サービスの質に合った価格設定を行い、利益率を引き上げられるようになった。

TOPIX採用企業の売上高経常利益率との一定の連動性が観察される日銀短観の大企業製造業の売上高経常利益率は、22年度10.5%、23年度11.5%、24年度11.8%、25年度(3月実績見込み)11.7%と上昇傾向にあり、25年度は6月調査で上方修正され24年度を上回る可能性がある。

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【緩和的金融環境が継続】

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