企業の業績は「昨対(昨年対比)」で100%をどれだけ上回るかで決まる。観客動員がほぼ100%になった現状で、昨対をアップするためには「客単価」を上げるしかない。今季、阪神は、京セラドームでの主催試合を含む一部席種でチケット代金を値上げしたが、ファンの反発を買わないように、今後もじわじわとチケット代金を上げることになるのだろう。なお阪神は状況に応じて柔軟に料金を上げ下げする「ダイナミックプライシング」を導入していない。発売して短時間でチケットが完売するから、その必要がないのだ。
また甲子園球場のシーズンシート(年間予約席)も4月初旬には完売している。バックネット裏など人気の席種は、数年待ちと言われている。阪神は年間9試合の京セラドーム、さらには二軍戦を行う兵庫県尼崎市のSGLスタジアムでもシーズンシートを発売したが、いずれも完売している。
今後、阪神タイガースは「客単価アップ」のために、場内の飲食、物販にさらに力を入れる可能性もある。甲子園球場の売り子から買うビールは1杯800円だ。東京ドームなど他球場は900円が相場になりつつあるので、値上げを視野に入れているのではないか。
実はそれでも阪神戦を甲子園で観戦できる可能性はゼロではない。屋根のない甲子園球場では、雨天中止試合が年間、数試合は出る。消化できなかった試合日程は、シーズン終盤に新たに予定が組まれ、そのタイミングでチケットが販売される。ほとんどが平日だが、これはまだ入手できる可能性がある。筆者は昨年、このチケットを購入してシーズン最終戦を観戦したが、優勝も決まった「消化試合」にもかかわらず超満員だった。
DeNA、ファンクラブ拡充で観客急増
DeNAの本拠地横浜スタジアムは、長く3万人弱の観客席をなかなか満杯にすることができなかったが、2015年ころから観客が急増し、2018年には1試合平均28,116人とほぼ満員となった。「チケットが買えない」という苦情も出始めたが、2019年にはライト側ウィング席、翌2020年にはレフト側ウィング席を増設、キャパシティは34,046人まで増加した。コロナ禍もあって、観客動員は一時落ち込んだが、23年から急上昇し、25年には95%を超えた。今季も好調な出足で、阪神ほどではないがチケット入手はかなり困難になっている。
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