顧客は巨大IT企業や通信大手
世界シェア35%以上――。日本政府が掲げる、海底ケーブル敷設の数値目標だ。その中核を担う企業がNECである。総距離ベースで約2割のシェアを握り、世界3強の一角に食い込む。
総務省は2025年6月策定のデジタル海外展開総合戦略で、26~30年に敷設される海底ケーブルの総延長に占める日本企業のシェア拡大を目標に据え、研究開発や敷設能力の強化を後押しする。
海底ケーブルを取り巻く市場は、大きく3つのプレーヤーに分かれる。ケーブルを保有する「オーナー」、オーナーから発注を受けて整備する「サプライヤー」、サプライヤーから発注を受けて敷設を行う「船運航者」だ。

サプライヤーであるNECは、国際ネットワークを自社の事業運営に要する巨大IT企業や通信大手を顧客とし、海底ケーブルの関連機器を製造したうえで海中への敷設工事までを一貫して担う。光ファイバーで信号を伝送するケーブル、光信号を増幅させる中継装置、ケーブルを海中で分岐させる分岐装置――。海底ケーブルシステムを構成する主要な機器を自ら手がけるのが特徴だ。
サプライヤーの世界は、首位のアルカテル・サブマリン・ネットワークス(フランス)、2位のサブコム(アメリカ)、そして3位のNECで、市場シェア9割を占める。地域ごとに大まかなすみわけがあり、ヨーロッパやアフリカ周辺を中心とするアルカテル、北南米周辺が強いサブコムに対し、NECは太平洋や東南アジアを軸に案件を手がけてきた。
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【M&Aを経て業界の雄に】
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