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台湾・国民党は中国共産党と「反日」で協調するのか?訪中時に相次ぐ「反日発言」で鄭麗文・党主席が狙うもの

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2026年4月10日、中国の習近平国家主席と会談した台湾・中国国民党の鄭麗文主席(写真:AFP=時事)
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なぜこのような動きに至ったのか。その背景として考えられるのは、鄭氏の政治経歴や支持基盤、そして民進党との対決姿勢をより明確に打ち出す狙いである。

鄭氏はかつて民進党に所属し、その後国民党へ移った経歴を持つ。党内ではいわゆる外様的な立場と見られやすく、支持基盤が盤石とは言い難い側面もある。そのため、比較的規模の小さい特定層に訴求することで、効率的に支持を固めようとする戦略があった可能性も指摘できる。

「反日」発言が党全体の支持拡大につながるのか

また鄭氏は、戦後に台湾へ渡った中国大陸出身者の家系、いわゆる外省人の家庭に生まれ、戒厳令期の教育環境で育った世代に属する。このため、中華民族意識や歴史観に関わる言説が、どの層に強く響くかを感覚的に理解しているとも考えられる。結果として、踏み込んだ発言や象徴的な行動が、むしろ特定の支持層に訴求すると判断した可能性は否定できない。

一方で、このような単独色の強い発信は、個人の存在感を高める効果こそ期待できるものの、党全体の支持拡大や選挙戦略として有効かどうかは不透明である。

党員の高齢化や資金面の制約といった課題を抱える国民党にとっては、中国との統一でも独立でもない中間層をいかに取り込むかが重要とされている。

そうした中で、鄭氏の対日強硬とも受け取られる政治姿勢が、今後の選挙や党の路線にどの程度影響を及ぼすのかは、引き続き注視する必要があるだろう。

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