

海外展開の第一歩は「国ごとの現在地」を知ることから
今回の調査から、国ごとにIP受容構造が大きく異なり、特に「どのIPが、どの国で、どのポジションにいるのか」を正しく把握することが、海外展開の第一歩であることが明らかになりました。日本発IPが海外展開を進めるにあたって、欧米市場では強力な競合IPがひしめく中で、明確な差別化が求められるでしょう。
差別化していくためには、巨大IPと正面から競うよりも、日本発IPならではの文脈や表現を生かし、ターゲットは限定的でも熱量の高い支持を獲得することが重要だと考えられます。一方で、アジア市場では、日本発IPがすでに生活文化の中に受け入れられていることから、既存IPの認知を起点にマネタイズを深めることや、その親和性を足場として新規IPを浸透させていく余地があると考えられます。また、「奥行き型」IPの分布を手がかりにすることで、市場ごとの成長余地や、次に注力すべき国を見極める視点も得られます。
本稿で示したように、国ごとのIP受容構造やポジションを客観的に把握することは、海外展開を検討するうえでの重要な出発点となります。IPそのものの魅力だけでなく、どの国で、どのような環境の中で受け入れられているのか、国別比較データを通じて「現在地」を整理することで、各国市場における現実的な戦い方や、次に注目すべき市場がより明確になるでしょう。
