本場ドバイで現地取材してきた私からすると、日本で起きているこれらの現象は面白い。元祖とはかけ離れた姿で広がっているからだ。
もともとドバイチョコは、チョコレートやピスタチオといった高価な素材を使った板チョコで、魅力的な商品ではあるものの、輸入品が多く、価格も高め。日常的に楽しむにはややハードルが高かった。
それが、今では「ドバイもちクッキー」なら500円前後が中心で、ワンコイン感覚で手に入る。形を変えることでボリューム感を保ち、より多くの人に届く存在へと変化した。このような「手に取りやすさ」が第2次ブームを支えているのだろう。
ピスタチオとチョコの風味、ザクザクとした食感、見た目の楽しさといったドバイチョコのエッセンスを抽出し、パンやドリンク、菓子へと転用することで、コストを抑えながら体験価値も維持している。原材料費が高騰する中、共通要素を生かして展開しやすい点は、提供する側にとってもメリットだ。
SNSと動画が後押しする拡散力
SNS上では「ドバイもちクッキー」関連の投稿が増え、拡散が加速している。YouTubeでもショート動画や実食コンテンツが再生数を伸ばし、「一度食べてみたい」というライト層の関心を押し上げている。私自身も面白さにひかれ、やはり写真や動画を撮ってしまった。
日本におけるドバイチョコの流れを整理すると、第1段階は「体験型の高級チョコとしての受容」、第2段階は「カジュアル化によるドリンク・アイス・パンへの拡張」と「韓国発スイーツとの融合」といえるだろう。
味のみならず、食感や体験をも内包した「ドバイチョコ」というフォーマットは、インパクトがあり、五感を刺激する大きなポテンシャルがある。今後もドバイチョコはフォーマット化して、思いがけない新ジャンルと結びつく可能性がある。予想外の広がりがこの現象の面白さだ。
