こうした過酷な実態を反映し、日教組の「2025年度青年部職場実態調査」では、61.1%の教職員が「現在のような働き方を定年まで続けることは可能だと思わない」と回答した。

勤務時間が減少傾向にあるにもかかわらず、この割合は2017年からほぼ改善されておらず、山崎氏はその要因を「業務の密度」にあると分析する。
「子どもが学校にいる間、休憩もほとんど取らずに働き続けることが教職員の大きな負担となっています。勤務時間が少し減った程度では、この絶望感は払拭されません」
「教職員同士のコミュニケーション」も希薄化
実際、同調査では1日の休憩時間を「0分」と回答した教職員は半数近くに達し、特に給食指導の負担が大きい小学校では平均11.7分と、一息つく暇すらないのが実態だ。このような状況の中で、ニーズが多様化・複雑化する保護者への対応や、増加する不登校への対応など、精神的にも負荷の高い業務に追われていれば、心身ともに疲弊してしまうのも無理はない。
さらに、この時間的な余裕のなさは、教職員同士のコミュニケーションの希薄化という深刻な課題も招いている。
「以前は職員室で子どもについて意見交換し、自分にはない視点を他の教員から学べる余裕がありました。しかし現在は、勤務時間を減らすことが重視されるあまり、忙しそうなベテラン教員に声をかけることをためらう若手も少なくありません。教員間のコミュニケーションという、本来であれば削減すべきではない部分まで削減してしまっているのが現状です」
次ページが続きます:
【目先の「時間削減」より必要なことは?】
