やはり、鍵は競技の普及と資金確保のバランスだ。競技によってはサブスクに傾斜がかかっていくこともあれば、その逆もある。
地上波で見たい人たちにとって、サブスクの脅威ばかりが目立つが、ある“データ”について砂川さんが解説する。
テレビとサブスク、双方の問題
「サブスクは入る人も多いけれど、抜ける人も多い。私は放送業界でWOWOWの立ち上げにも関わりましたし、WOWOWもスカパーもウォッチしてきました。
そこから見えるのは、どちらも日本の全世帯の約10%に契約数が到達したことがないということ。約5500万世帯のうち、550万契約に満たない。仮にネトフリが1千万契約を主張したとしても日本の世帯数の20%です。
その数字の媒体でしか見られないメジャースポーツってどうなの?となるわけです」
今後、世の中の多数がテレビ世代からデジタルネイティブ世代に交代し、テレビを持たない若者たちが中心となったとき、サブスクはもっと当たり前になると指摘するが、問題もはらんでいる。
「所得格差の問題から、サブスクを利用できるのは富裕層に限られる可能性がありますし、サブスクに取って代わられたとき、テレビなど公共財としての情報伝達はどうなるのか。
文化政策や国の政策の問題にも関わってくる。テレビ世代が残る今後30年ほどはテレビの影響力は死滅しないと思いますが、その先はスポーツ観戦に限らず、社会構造の変化を含め、どうなっていくかわかりません」(同)
まだまだテレビ観戦の選択肢は残されてはいるものの、好きな競技はサブスクもチェックする。そんな柔軟な思考でスポーツとの関わり方を考えていきたい。
(AERA編集部・秦正理)
