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ライフ #広がる新しい暮らし方 "廃居"という磁力

「屋根が落ちてからが本番」——廃墟を再生し"村"を作るまでになった元・建築家志望の20年

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屋根が落ちた廃墟
西村さんもスタッフも「屋根が落ちている」「床が抜けている」くらいでは動じない(写真:筆者撮影)
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その後、神戸市が2022年から始めたアーティスト・イン・レジデンス事業で西村さんが長田区内で再生したシリイケバレー(神戸市長田区東尻池町)その他が使われるようになったことから西村さんは徐々に注目されるように。

2023年くらいからは西村さんに加え、バイソンやそれ以外に手掛けているエリア、関わる人たちに注目が集まるようになった。特に関西圏のテレビ、新聞その他にはしばしば登場しているのでご存じの方も多いのではなかろうか。

完成した茶室の内部(写真:廃屋グループInstagramより)
荒れていた茶室、その前の庭、周囲の建物も改修され、人が集まる場所に。2025年に開かれたオープンバイソンの様子(写真:西村周治さん提供)
それ以外の建物も完成しており、大変な賑わいだった(写真:西村周治さん提供)

相談や依頼が絶えない

アーティスト・イン・レジデンス事業ではアジアを中心に世界中から学生が集まってきており、認知度は日本以外にも広がっている。 

それに伴い、月に1~2軒は空き家を引き取ってほしいという連絡があり、また、行政からは借りた人が行方不明になってしまったごみ屋敷など手に負えない不動産を何とかしてくれという相談も。

メディアに登場し始めた頃は廃屋好きの変な人という印象もあった西村さんだが、今では空き家に悩む所有者、行政にとっての救いの神になっている。

空き家元年と言われた2015年にはどこかよそ事だった空き家問題がここ何年かで多くの人にとってリアルな脅威となり、それを解決できる数少ない人として西村さんがクローズアップされているのだろう。

ここ何年かで有名(!)になったせいか、あちこちから空き家を貰ってほしい、収拾のつかない住宅をなんとかしてという相談が多いとか。中にはこんな状態から改修を始める物件もあるそうだ(写真:西村周治さん提供)

だが、それ以上にここ数年で大きく変わったのは空き家再生の現場に集まってくる若い人たちの意識だと西村さん。

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