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駅で実際に数えてわかった「女性トイレの個室数」 男性用の6割「格差解消」手立てはあるのか?

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女性トイレの便器数は男性トイレの6割しかないという衝撃的な結果が…(写真:haku:PIXTA)
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では、なぜこうした差が構造的に生まれたのか。

交通計画に詳しい交通コンサルタントの阿部等氏は「男女の滞在時間の違いに考慮することなく、確保可能なトイレスペースを単純に男女で同面積とし、その範囲内で個室と小便器を割り振る設計が当たり前とされていたためだ」と説明する。見た目は公平でも機能的な部分では不公平を生んできたと言える。

「滞在時間」から逆算する理論

阿部氏は、この問題の解消に向け、男女の小便の滞在時間の差に着目した。男性の平均滞在時間を30秒(混雑時は35秒)、女性を75秒(同90秒)と仮定すると、両者にはおよそ3倍の開きがある。

男性トイレでは、小便器と個室の両方が利用されるため、単位時間当たりの処理能力は「小便器+個室」の合計で決まる。一方の女性トイレはすべて個室であるため、男性トイレの設備数を基準に、女性側に必要な個室数を換算する考え方とする。

この時間差を前提に、阿部氏は便器数の算定式を考案した。それは「女性トイレの個室数=男性トイレの小便器数×2.5+男性トイレの個室数」というものである。係数の2.5とは、滞在時間の男女比である。

具体例を挙げると、男性の小便器数が4個で個室数が2個であれば、女性の個室数は12個、男性の小便器数6個、個室数が2個であれば女性の個室数は17個となる、といったイメージだ。

個室は小便器より広い面積を要するため、女性トイレは男性トイレの4倍程度の面積を必要とする場合があると阿部氏は考えている。現行の設計常識とは大きく異なるが、それが当たり前だということをガイドラインで明確に示すべきだという。

鉄道事業者が女性トイレの行列問題を解消できれば、利用者満足度の向上につながる可能性がある。また、競合する鉄道会社があるようなところでは快適なトイレ環境の整備がサービス競争力の1つになり得る。

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