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駅で実際に数えてわかった「女性トイレの個室数」 男性用の6割「格差解消」手立てはあるのか?

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女性トイレの便器数は男性トイレの6割しかないという衝撃的な結果が…(写真:haku:PIXTA)
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この活動は次第に注目を集めるようになり、同年以降、マスコミにも取り上げられるようになった。2025年には約30回報道されたという。

当初は「女性のわがままではないか」「通勤客は男性が多いのだから当然」「スマートフォン利用で長居しているのでは」といった否定的な声が数多く見受けられた。現在でも否定的な意見は少なくないが、中には男性から「女性と外出した際、トイレに立ち寄ると自分はすぐに済む一方で、女性は長い列に並ぶことが多い。その結果、待ち時間が発生し、他のことに充てる時間が削られている」という機会損失につながるという意見もある。

このように調査地点が増え、データが積み重なるにつれて、客観的な数字が実態を裏付け始めた。マスコミ報道も重なり、世の中の風向きは変わりつつある。

便器数の男女比率は男性1個に対し女性0.59個

百瀬さんの調査では、男女とも「利用できる設備数」を基準に数えている。男性トイレの場合は小便器と個室を合わせた数、女性トイレは個室数のみである。女性には小便器に相当する設備がないため、単純な設備数として比較しているという。

そのうえで、男女の便器数の平均比率は男性1個に対し女性0.59個。言い換えれば男性用の便器数は女性用の約1.69倍、女性用の便器数は男性用の6割程度ということになる。また、1000カ所以上を調べた中で、鉄道駅において女性の便器数が男性を上回っていた例はわずか4駅のみで、いずれも新幹線の停車駅だ。

百瀬さんが調べた中で印象的だったのが、東京都のJR八王子駅だった。調査時点では、男女別でトイレの面積はほぼ同じであったが、女性用の個室は6個。一方、男性用は個室が7個に加えて小便器が10個あり、合計17個となっていた。小便器は個室よりも省スペースで設置できるため、同じ面積でも設備数を増やしやすい。この結果、男性側の設備数は女性の2.83倍になっていた。

トイレの便器数が男女で異なる現状についてJR東日本に尋ねると「一部駅において列が発生していることは認識しており、東京駅ではトイレ混雑可視化システムを試行的に導入し対策を実施している」とのことだった。
また、現時点で具体的な方針は定めていないものの、「有識者協議会及びガイドラインの内容に基づき社内で検討していきたい」と話す。

百瀬さんはこう訴える。「男女の待ち時間が同じくらいになるように女性の便器数を増やしてほしいが、せめて男女の便器数を同じにしてほしい。施設の新築や改築のタイミングで適切な数へ比率の適正化を図るとともに、利用しづらい和式トイレの洋式化を進めるべきだ」。

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