教育の最終目的は、子どもを親の思いどおりに動かすことではなく、子どもが「自分の人生を自分でハンドリングできる」ようにすることだと考えています。
実は、親が「子どものために」と介入を強めるほど、子どもの「自己決定感」は損なわれていきます。アメリカの心理学者エドワード・デシが提唱した「自己決定理論」によれば、人間は「自分で決めた」と感じるときに最も高いモチベーションを発揮します。
親が先回りして「良かれと思って」お膳立てし、指示を出すことは、子どもの自発性の芽を摘んでいることと同義なのです。ある意味、子どもが反抗するのは、自分の領域を守ろうとする「健全な成長の証し」でもあります。
親が「立場の転換」を行い、子どもの感情や状況を理解しようと努めると、子どもは「自分は理解されている」という心理的安全性を感じます。この安心感があって初めて、子どもは「どうすればいいか」という建設的な思考に移行できるのです。
「立場の転換」をするための3つのアプローチ
では、具体的にどのような行動をとればよいのでしょうか。日常で実践できる3つのアプローチを提案しますので、1つでも試してみてください。
(1)感情を「実況中継」して承認する
子どもが動かないとき、正論を吐く前に、まずは子どもの今の状態を言葉にしてあげてください。
「今は宿題より、このYouTubeが気になって仕方ないんだね」
「テスト前で、本当はプレッシャーを感じてしんどいんだね」
これだけで十分です。アドバイスは不要です。求められていないアドバイスをすると子どもは反発・反抗してきます。
子どもは自分の感情が言語化され、親に受け入れられたと感じた瞬間、子どもの脳内の「戦闘モード(交感神経優位)」が静まり、対話が可能な状態になります。
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【「オプション(選択肢)」を出し子どもに選ばせる】
