東洋経済オンラインとは
ライフ #廃墟モールの経済学

半分近くが空きテナントでも「他社からアプローチ多数」…茨城の廃墟モール「空き区画だらけでも黒字運営」の秘訣と展望

8分で読める
「大洗シーサイドステーション」は空き区画が目立つが、経常利益は出ているという。安定的に運営する同施設が次に目指す先とは?(筆者撮影)
  • 坪川 うた ライター・ショッピングセンター偏愛家
2/6 PAGES

同社の社長である常盤良彦氏は「この空き区画数でも真面目にコツコツやっていれば利益は出ます。弊社役員3人のうち、数字の管理を担当している田山のおかげです」という。

田山一暁氏は次のように話す。

「減価償却はまだできていませんが、資金繰りは回っています。償却してもPLは問題ありません。ただし、スポット的に発生する修繕費は今後の課題です。それでもお客様の安全や施設の存続に関わる最低限の修繕は実施しています。来てくださるお客様をがっかりさせたくないという思いで歯を食いしばっています」

施設名に込められた思い

空き区画が目立つが、安定的に運営できている「大洗シーサイドステーション」。今後どのような道を目指していくのだろうか。モールの運営管理を初めて行う同社は手探りで前に進んできたが、大きく2つの方向性が見えてきたという。

1つ目は、道の駅にする構想だ。同社は08年の創業以来、一貫して”道の駅的な機能"をつくることを目指してきた。同社が命名した新たな「大洗シーサイドステーション」にも、道の駅のような場所にしたいとの思いが込められている。

「トラックの休憩所やトイレ、観光案内所があって、地元の人が野菜を作って持ち寄ったり、観光客も立ち寄って会話が生まれたり。いつの間にか地域のハブになっていくような小さくてもあたたかい拠点、自然と人が集まってくる関係性のインフラを目指しています。

ネット通販も含めて物を買うだけならどこでもできるからこそ、リアルの場には関係が必要だと考えています。大洗町には水族館や神社など観光資源があります。日常と観光が混ざり合う拠点、地域と観光が交差するプラットフォームにしていきたいです」(田山氏)

次ページが続きます:
【現在、道の駅計画は凍結状態】

3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象