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ライフ #廃墟モールの経済学

「地元商工会を無視して町が誘致」→「震災のダメージで廃墟化」 茨城初のアウトレットモールをテナントが「逆買収」した訳

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失敗したモールを引き継いだのはなぜなのか?(筆者撮影)
  • 坪川 うた ライター・ショッピングセンター偏愛家
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そんな「大洗リゾートアウトレット」に11年3月11日、東日本大震災が襲いかかった。津波で1階部分が浸水し、営業を再開できたのは約4カ月後。原子力発電所の風評被害により、大洗町に来る観光客も激減してしまった。

東日本大震災時の「大洗リゾートアウトレット」の様子(Oaraiクリエイティブマネジメント提供)
東日本大震災時の大洗まいわい市場の様子(Oaraiクリエイティブマネジメント提供)

震災を機に、地域とアウトレットの距離がますます開いていく。同社のような地元テナントや商店街が復興に向けて必死に動いているなかで、八ヶ岳モールマネジメントは危機感に乏しく、イベントなどを打診しても協力を得られなかった。地元商店が売上を回復していく一方で、アウトレットだけが取り残されていた。

「弊社が地域活性化の活動を行い、施設を活用して集客することでかろうじてアウトレットと地域をつなぎとめていたと感じます」(田山氏)

さらに同社は、テナント誘致にも力を貸していた。

「震災の後はナショナルチェーンも結構出ていってしまいました。撤退したエクセルシオールカフェの代わりに、地元のコーヒーチェーンであるサザコーヒーへ震災復興のためにぜひ出店してほしいとお願いしました」(常盤氏)

覚悟の買収

震災後、同社はテナントとして施設に関わりながら、商工会などと連携してガールズ&パンツァーのイベント開催やライセンス取得のアドバイザーを行った。12年に大洗町を舞台にしたアニメ・ガールズ&パンツァーが放映されたのである。ガルパン効果により、町は震災前を上回るにぎわいを取り戻していった。

同社が関わって開催したガルパンイベント時の様子(Oaraiクリエイティブマネジメント提供)

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【「町の復興を終わらせてはいけない」という覚悟】

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