町の復興のかたわら、八ヶ岳モールマネージメントの経営は厳しくなっていた。テナントから一時的に預かる売上金の返還が度々滞るような状態であった。同社は、前町長の誘致した八ヶ岳モールマネージメントの問題を行政へ訴えたが、「民間同士で解決するように」との返答だったという。
八ヶ岳モールマネージメントが施設を手放すことになったものの売却先が見つからず、最終的に町を通して同社に声がかかった。同社は地元銀行や信用金庫などの協力も得て、施設を買い取った。
買収に踏み切った理由について、常盤氏は「合理的な判断というより、町の復興を終わらせてはいけないという覚悟で買収を決めました。地域の人々からどんどん背中を押されたんです」と話す。
「引き継ぎを決めたときに一番思い浮かんだのは、自社のスタッフやテナントさんです。震災のときにみんなで瓦礫掃除をした経験もあり、ここで一緒に頑張りたい、建物と一緒に止まってしまう未来だけは避けたいと思いました。外資の手に渡るのではなく、私たち地元資本が持っていることで、町にとって将来的な選択肢を残せたらと考えていました」(田山氏)
未来に集中してきた
地元商店主たちの意向を無視した前町長のアウトレットモールの誘致と、町やテナントに寄り添うことのなかった運営会社。無責任に残された「大洗リゾートアウトレット」をOaraiクリエイティブマネジメントが引き継いだのは、「町のためにこの場所を終わらせたくない」という覚悟からだった。
度重なる苦難が降り注いだにもかかわらず、その経緯について同社はこれまで多くを語ってこなかった。常盤氏と田山氏が度々口にしたのは、「来てくださるお客様やガルパンファンの方にはまったく関係のない話。せっかく楽しみに来てくださるのに、嫌な思いをさせたくない」と来店客に寄り添う言葉だった。「過去を批判するのではなく、この施設を未来にどうつなげるかに集中してきた」という。
続く第2回では、同社が施設をどのようにつないできたのかを伝える。
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