現在でも「大洗シーサイドステーション」には、施設の奥側と2階に空き区画が目立つ。2階は3分の2ほどの区画が空いている。
一方、スーパーのセイミヤやカワチ薬品、セリアは、近隣住民と見られる買い物客で活気がある。観光地らしい土産店や飲食店も軒を連ね、買い物や食事を楽しむ人がいる。
施設をリニューアルし、現在まで所有・運営しているのはOaraiクリエイティブマネジメントだ。同社は地域のプラットフォームづくりを目的として08年に創業し、09年に「大洗リゾートアウトレット」にて物産直売所の大洗まいわい市場を出店。その他にもアニメ・ガールズ&パンツァーのグッズを扱う大洗ガルパンギャラリーを出店するなど、長らくテナントの立場で施設に関わってきた。
いちテナントがモールを買収して運営を引き継ぐのは、他ではあまり聞かない事例である。なぜ施設を、それも失敗したモールを引き継いだのか。同社の代表取締役の常盤良彦氏と常務取締役の田山一暁氏にお話を伺った。
前町長がアウトレットを誘致
同社が施設を引き継ぐに至るまでの背景は、「大洗リゾートアウトレット」の開発前にまでさかのぼる。この土地はもともと茨城県が所有しており、その一部の区画に道の駅をつくろうという構想で商工会が動いていた。常盤氏と田山氏は当時、商工会青年部のメンバーだった。
商工会が道の駅構想を持つなかで、当時の町長が八ヶ岳モールマネージメントを誘致。06年3月、茨城県初のアウトレットモール「大洗リゾートアウトレット」がオープンした。田山氏は当時の様子をこう振り返る。
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【このままでは商店街が潰される…】
