「のん」本名使用解禁までこぎつけた"芸能界の掟"との闘い10年、追い風となった「公取委の動き」と「負けん気の強さ」
のんは古巣からの独立、改名を経て16年4月からは後に「株式会社STARTO ENTERTAINMENT」の代表取締役(現在は退任)を務めた福田淳氏が設立したコンサルティング会社「スピーディ」とエージェント契約を結び活動していた。
19年7月にはその福田氏が会社のホームページなどに《のんが3年間テレビ局で1つのドラマにも出演が叶わないことは、あまりにも異常ではないでしょうか?》《エンターテイメント産業も、ひとつの立派な産業であるならば、このような古い体質を変えていかなければなりません》といった文章を投稿したこともあった。
「この時期は、ちょうど旧ジャニーズ事務所が元『SMAP』のメンバー3人をテレビに出演させないよう圧力をかけた疑いがあるとして公正取引委員会から注意を受けたり、吉本芸人らによる闇営業騒動で『雨上がり決死隊』の宮迫博之さんと『ロンドンブーツ1号2号』の田村亮さんが会見を行った頃でした。
世間から芸能界に対する厳しい目が注がれているタイミングということもあって、福田さんの投稿も大きな注目を集めました。もっとも、さすがに前所属事務所もあからさまにのんさんの活動を妨害するようなことはしていなかったと思います。
テレビ局をはじめとした取引先が忖度したかは定かではありませんが、テレビも横並び体質なので『他が使わないならウチも』という状態が長く続いたのだと思います」(芸能記者)
撮影現場では自分の意見をハッキリ言う
そんなのんが、ここにきて「能年玲奈」という芸名を追記したのはなぜなのか。その背景には、公取委の新たな指針の影響を指摘する声もある。
公取委は昨年9月30日に「実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針」と題した芸能人と事務所間の取引適正化を目指す指針を公表した。
内容は独占禁止法に照らして問題となりうる具体的な事例と考え方を示し、契約満了後の移籍妨害を防ぎ、タレントに不当な不利益を与えないことを求めるものだ。
その中には「芸名・グループ名の使用制限について」の項目もあり、「芸名の権利を事務所に帰属させる場合は、あらかじめ契約書に明記し、タレントに十分説明し協議すること」「合理的な理由がない限り、芸名のなどの使用の制限は行わない」「使用を制限する場合でも、その理由はタレントに十分に説明し、使用料の支払いといった代替手段も含めて合理的な範囲で協議すること」などと明記されている。


















