「好きなキャラだから嫌すぎる」「不倫騒動がチラつく」 批判殺到も、田中圭の『キングダム』出演が"英断"と言えるワケ

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田中圭の知将役が「英断」と呼べるとすれば、後者の戦略をとっているからだ。ぽっちゃり化した時期を経てもなお、「無邪気キャラ」という虚像を着直さず、「腹に一物ある知将」という、まったく異なる自分像で価値を示そうとしている。

あなたが職場で失敗したとき、どちらの戦略をとるだろうか。

信頼回復できるかは3カ月後にわかる

もちろん、これはあくまでも「見た目の科学」による分析であり、今回の戦略が成功するかどうかはまだわからない。

実際、批判は今も続いている。「なぜあの人がいい役柄を」「まだみそぎは済んでいない」という声も少なくない。スキャンダルで傷ついた信頼は、役柄発表だけで回復するほど単純ではない。

ただし、映画が公開される7月17日に向けて、状況は変わる可能性がある。田中圭の演技が「知将・呉鳳明」として評価されれば、視聴者の脳内に「新しい田中圭像」が形成され始める。それが積み重なるとき、信頼回復の条件が整っていく。

見た目の科学的に言えば、批判そのものが「気になって目が離せない」状態を生んでいる。批判したい、しかし確認したい——そのエネルギーが映画公開時に「本人がどうなったかを見届けたい」という動機に変わるとき、田中圭の英断は証明される。

失敗後の信頼回復に必要なのは、完璧な姿を装うことではない。今の自分の状態に正直に向き合い、そこから価値を生み出すことだ。鎧が剥がれた時期を乗り越えて、どれだけの演技を見せられるか。3カ月後にはその答えが出る。

【参考文献】
※1 Todorov, A. (2017) Face Value: The Irresistible Influence of First Impressions, Princeton University Press.
※2 Todorov, A. & J. S. Uleman (2003) The efficiency of binding spontaneous trait inferences to actors' faces, Journal of Experimental Social Psychology, 39(6), 549–562.
※3 Brown, B. (2012) Daring Greatly: How the Courage to Be Vulnerable Transforms the Way We Live, Love, Parent, and Lead, Gotham Books.
※4 Hamermesh, D. S. (2011) Beauty Pays: Why Attractive People Are More Successful, Princeton University Press.
宮本 文幸 「見た目」戦略研究家/桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授

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みやもと ふみゆき / Fumiyuki Miyamoto

資生堂で33年間、商品マーケティングに従事し、「Ag+」などのヒット商品を開発。2018年より現職。専門はヒトとモノの売れる見た目をつくる「見た目戦略の科学」。著書に『見た目の戦略vol.1:人生を変える30の事実と対策』(Amazon KDP)、『ゼロ・プロモーション・マーケティング』(同友館)など

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