「好きなキャラだから嫌すぎる」「不倫騒動がチラつく」 批判殺到も、田中圭の『キングダム』出演が"英断"と言えるワケ

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「知将・呉鳳明」は悪役でも汚れ役でもない。しかし「腹に一物ある、複雑な人間」だ。ピュアで透明なキャラクターとは対極にある。

「無邪気キャラ」という壊れた虚像を着直さず、かといって開き直ったような汚れ役でもない。「知略で戦う複雑な人物」として新しい価値を示す。

騒動前に既に決まっていたキャスティングで、たまたま復帰作となっただけだとしても、この役柄を演じていたことは好機であったと言えるだろう。

さらに前述した「本気度の可視化」が、ここで効いてくる。ぽっちゃり化という「鎧が剥がれた姿」を経て、「役者として体が仕上がった状態の姿」が公開されることで、「新しい自分として本気で戦いに来た」というシグナルが視聴者に届く可能性がある。

完璧な鎧を装うのではなく、一度剥がれた状態を経由したうえで、新しい姿で価値を証明しようとする——そこにブラウン教授の示した「脆弱性の開示」の本質が重なる。

ビジネスにも生きる、失敗後の「見た目戦略」

テキサス大学のダニエル・S・ハマーメッシュ教授は、外見が年収や社会的評価に与える影響を研究し、見た目は単なる表面的な話ではなく、信頼性の評価と深く結びついていることを示した(※4)。

だとすれば、失敗後に「どんな見た目で戻るか」はキャリアの信頼回復に直結する問題だ。

ビジネスの現場でも、失敗や不祥事の後に「元のポジションに戻ろうとする」人と「今の自分の状態に合ったポジションで価値を証明する」人では、信頼回復のスピードが異なる。

前者は「鎧を着直す」戦略だ。一見自然に見えるが、周囲には「まだウソをついている」という印象を与えるリスクがある。プレゼンの失敗後に「自信満々な姿を取り繕う」のも同じだ。「鎧が戻った」と感じた人は、再び疑念を持ってしまう。

後者は「はだかのまま価値を証明する」戦略だ。一時的に弱さをさらすことになるが、その誠実さが信頼回復の起点になる。失敗を認めたうえで、「今の自分にできること」から価値を積み上げていく姿は、周囲の共感を呼ぶ。

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