「リスクより教育目標を優先」辺野古・研修旅行中の転覆事故《学校の重い罪》、内田良氏が指摘"学校の安全管理"の落とし穴
――学校で事故が起きると何でも教員の責任が問われるケースが多く、なり手不足につながっているという声もあります。
今回は、学校側の責任は重大ですが、今度起きないようにするにはどうしたらいいかという発想に展開していかないと。
特定の組織や個人を叩いているだけでは同じ事故がまた起きます。事故を繰り返さぬよう、私たちは自覚を持って今回の問題に向き合っていくべきだと思います。
実際、今回と同じ平和学習をやっていた学校がほかにもあるようですし、沖縄以外の別の体験活動も旅行代理店を外して学校独自で行っているケースがあるかもしれません。まずはここから手を打つことが、わりとすぐに取り組めることだと思います。
学校は子どもに提供したい各種活動を旅行代理店に提示し、そのうえで旅行代理店が業者・施設の一覧を学校に回答する。保険の加入を含め安全管理は旅行代理店のほうがプロで、学校はそこまで頑張る必要はないと思います。
また例年やっている活動だからではなく、たとえ結果として前例踏襲の内容になったとしても、毎年安全管理を徹底してほしい。とくに海や山などリスクが高い自然環境は、一年のうちに状況が変わるし、一日の中でも変化が大きい。新鮮な目で安全確認をすることが必要ではないでしょうか。
あとは、そもそも安全が保証できないような、リスクが高い活動はやめたほうがいいのではというのが管理者の視点だと思います。今回の平和学習も、船に乗らずとも、別のやり方もあったはずです。
多少のことであれば、ちゃんと手立てを打って、いろいろな体験を子どもにしてもらうのは大事なことだと思います。でも、リスク低減のリソースを割けないのであれば別の方法で、安全な形でやるということです。
リソースを充てて外部の専門家をもっと活用して
――ただでさえ教員不足で、学校には人がいない、リソースが割けないという課題もあります。
修学旅行などの場合には、追加の人員は、教員でなくてもいいと思います。むしろ教員のほうが素人だったりするので、自治体が予算を充てて旅行代理店の添乗員を増やしてもらう、また中にはスクールナースを同行させるという学校もあります。
教員の同行を増やすというよりも、その時だけ臨時で人がついて子どもの安全性を高める工夫が必要です。
あくまで教員は授業の専門家です。外部の専門家の力を借りて学校教育を成り立たせていくのは、いま学校で課題となっている教員不足や長時間労働の解消にもつながります。校外学習もそういう方向に進むといいと考えています。


















