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〈ドキュメント〉KDDI子会社で起きた「巨額架空取引」の一部始終 "たった2人の社員"が作り上げた不正が破綻を迎える日まで

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それから約2か月半にわたる調査が始まった。電子メールやチャットなど337万件に及ぶ電子データの分析に加え、グループ3社や取引先の関係者計80人に対するヒアリングを実施。a氏への聴取も計7回に及んだ。

特別調査委員会の調査では、本架空取引をめぐり、28通りに及ぶ商流の存在が確認された(画像:KDDIの特別調査委員会の調査報告書より)

結果として明らかになったのは、前例のない不正の全貌だった。架空取引を手がけていたのは、a氏と、その部下でソリューションチームリーダーだったb氏の2人のみ。彼らは21社もの企業を巻き込み、親会社の目を欺きながら、実際は広告主も成果物も存在しない取引を約7年も繰り返していた。

事業開始から積み上げた売り上げは2400億円超。その99.7%が嘘だった。つまり、この事業は実質的に「存在していなかった」に等しい。

始まりは「売り上げ未達」だった

事の始まりは、17年ころに遡る。ジー・プランは主力だった事業の集客力低下を受け、a氏主導の下で広告代理事業を立ち上げた。当時、入社7年目だったa氏は過去に広告代理店勤務やホームページ制作の職歴があり、その知見を活かして新規事業を育成させることが期待されていた。

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