〈不正の深層〉KDDIが"グループガバナンス不全"に陥った根本原因…「2人の聖域」が生んだ2400億円を超える実体なき取引
現会長の注意喚起が発覚のきっかけに
「あまりにも伸びているので怖い。いつか何かが起きるかもしれないので、注意してほしい」
2025年2月19日に開かれたKDDIの経営戦略会議。髙橋誠社長(現会長)は、業績が急拡大する子会社・ビッグローブの広告代理事業を目にし、そう警戒を促した。単発取引の積み重ねである同事業が、本業の通信事業を大きく上回って成長する状況にリスクを感じたのだ。
その後にKDDIの社内調査などを経て、ビッグローブと、その子会社のジー・プランで不正取引が行われていた疑いが発覚。26年3月31日に発表されたKDDIの特別調査委員会の調査報告書で、過去の同事業の売上高のうち、99.7%が実体を欠く架空の循環取引だったと判明した。
過大な業績計上に伴う25年度までの影響額の合計は売上高2461億円、営業利益499億円に上り、329億円の資金が外部流出した。報告書の発表に合わせ、KDDIは25年度の業績予想および過年度の業績の修正を余儀なくされた。
グループ社員2人の手で、約7年にわたり巨額の架空取引が行われ続けた前代未聞の問題。グループトップの指摘が入るまで、直接の管理部門やコーポレート部門、監査部門の目をすり抜けてきた。髙橋氏は慧眼であったが、裏を返せば属人的な気づきは、KDDIのグループガバナンスが機能不全に陥っていたことも示している。




















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