芸人さんをはじめとして、瞬時にいろいろな言葉がポンと出てきて場をつかむことができる人は、物事を瞬時に判断する心理傾向である「直感バイアス」が優位に働いていると考えられます。
そして「直感バイアス」は、体験が多ければ多いほど冴えることが明らかになっています。
日ごろから「何かネタになるおもしろいことはないか」と世の中の人を細かく観察し、おもしろいことを見つけたら、その話を披露するために練習する。そして、その話を実際に披露する。
その積み重ねが、さらに研ぎ澄まされたトークにつながるという好循環を生み出しているのです。
つまり私たちも、芸人さんのように「練習」を積み重ねることで、直感バイアスが研ぎ澄まされ、瞬時に的確な言葉が出てくるようになるということです。
練習として最適なのが、さきほどもご紹介した「1分間実況」です。
目の前にあるもの、目の前で起きていることをとにかく、無理矢理にでも言葉にする。その繰り返しで、直感バイアスは鍛えられていきます。
たとえば、電車に乗ったときです(もちろん、公共の場で声に出すのは憚られますから、頭の中で実況してみましょう)。
「あのつり革につかまっている男性。下を向いて、なんだか元気がなさそうです。仕事で何か、よくないことがあったのでしょうか。一方、その隣のつり革には、スマホの画面を見ながらニヤニヤしている女性が立っています。果たしてスマホには何が映っているのか」
このような感じで構いません。体験を言葉にする訓練を積むことで、「咄嗟のときに的確な言葉が出てくる脳」へと仕上がっていきます。
「書く脳」と「話す脳」はちがう
ちなみに、「咄嗟に話す瞬発力」とは少し外れてしまうかもしれませんが、「しっかりメモを用意したのに、いざ話すとなると、うまく話せない」というお悩みに対しても解消法がありますのでご紹介します。
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【能力や準備不足のせいではない】
