「さぁ、今講義を受けた物理学について実況していきます。今、目の前で起きているあらゆる現象、光が進み、音が響き、物が落ちるといった一瞬一瞬、そのすべてが物理学です。
ただ、ニュートン力学や相対性理論といった個別の理論がいまいちわからない。名前は聞いたことがあるがよくわからない……」
これでいいのです。すると、「あぁ、自分は『物理学』の大枠はなんとなく把握できているけど、個別の理論についてはまだ、つかみきれていないんだな」ということが見えてきます。
人は、わかっていないことは声に出すことができません。なぜなら、話すためには脳の言語野だけでなく、話の内容を計画する左尾側中前頭回という場所を使う必要があるからです。
これは理解できていないと、言葉をどのような順番で並べればよいか計画することができないことを意味します。
1分間、無理矢理話し続けることによって、「どこがわかっているか」がわかります。つまり同時に、「どこがわかっていないか」もわかるわけです。
「どこがわかっていないか」がわかれば、新たに勉強したり、誰かに質問したりするポイントがわかります。「どこがわかっていないか」を明確に伝えられるようになり、知識を的確に補充することができるようになるのです。
芸人はなぜ、瞬時に的確な言葉が出てくるのか
「言いたいことはあるはずなのに、いざというときに咄嗟に言葉が出てこない……」
こんな悩みを持つ人もいるでしょう。
「いざというときに咄嗟に言葉が出てくる人」の代表が、芸人さんです。
私はさまざまなテレビ番組で芸人さんとご一緒します。活き活きとしたエピソードトークや、何かツッコまれたときの瞬時の切り返しを目の当たりにして、「すごいなぁ……」と感心することがたくさんあります。
そのような芸人さんに共通しているのは、日ごろから「体験を言葉にする訓練をしている」ということです。
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【「直感バイアス」が優位に働いている】
