ブドウ糖が細胞に入っていかなくなるので、まず血糖値が上がります。そしてエネルギーを作れないため、疲れやすくなって、食べているのに空腹を感じます。これが糖尿病の始まりです。
こうして糖尿病が進行すると、予備軍の段階から、大腸がん、肝臓がん、膵臓がんなどの発症率が上がります。そして、ついには膵臓の機能がそこなわれ、インスリンをほとんど分泌できなくなってしまいます。
糖尿病は数種類に分類されていますが、本稿では、日本で95%以上を占める2型糖尿病について説明します。
腎臓の「浄化装置」が少ない日本人
糖尿病になると、のどが異常にかわく、尿の量が増えるなどの症状が発生しやすくなります。これは水を大量に飲むことで血液を薄めて、ブドウ糖の濃度を下げようとする自然の反応です。
実は、人間にとって最も大切なエネルギー源であるブドウ糖も、高濃度になると体にとって有害なのです。
ブドウ糖は体内のタンパク質を変性させ、このとき作られる物質が血管や内臓を傷つけます。これが、目の奥にある網膜や、腎臓を流れる細い血管で起きれば、失明や腎不全などの深刻な合併症を招きます。
腎臓が慢性的に障害されて重度の腎不全におちいると、人工透析が必要になります。人工透析は機械を使って腎臓の機能を肩がわりする治療法で、糖尿病を原因とする患者さんが全体の約半数を占めています。
2022年時点で、人口あたりで透析率が高かった国と地域は、順に台湾、韓国、日本です。
東アジアの3カ国が上位に並ぶ背景には、社会の高齢化と糖尿病の増加があります。また、人工透析は非常に高額な治療なので、医療制度が整っていない国ではなかなか受けられません。
しかし、それだけではないのです。
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【腎機能が低下しやすい日本人】
