「トランプ大統領の終わり」と「アメリカ社会バブルの終わり」――今はこの2つが同時進行している

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第2に、あらゆる資産がかなり上がったので、投資家のほとんどがかなり儲かっている。だから、暴落が起きても、財政的にはまだまだ余裕があり、財務的に追い込まれた投げ売りが生じないからである。

第3に、今回のバブルは株式バブルであり、不動産バブルでなく、銀行セクターが巻き込まれていないから、銀行が追い込まれ、リスク資産バブル崩壊が、他の幅広い業種にも波及する、というバブル崩壊の典型的なパターンが実現しない。逆にいうと、不動産バブルは崩壊しやすいし、経済全体にダメージを残すし、人々の記憶にも残る。2000年のテックバブルは、関係者以外はほとんどの人が忘れているが、リーマンショックは誰も忘れない。

第4に、AIブームが本物であるため、株価バブルが是認されやすい雰囲気を作っている。

ただし、株価バブルは値付けの問題なので、AIブームが本物であっても、株価が妥当な水準よりも4倍以上高いということになれば、必ず崩壊する。

実際アマゾン・ドットコムは2000年から01年にいったん株価が約20分の1になったが、再びほぼ値を取り戻した。その後も大幅上昇を続け、将来本物になるビジネス、企業だったのに、株価はテックバブル崩壊時に紙くずになるかと思われるぐらい、暴落した。

また、ネットスケープなどは超優良事業、技術を有していたはずだったが、マイクロソフトなどとの競争に負け、破綻した。AIも半導体も過当競争、株価はバブル、ということは当然ありうるし、実際そうだ。

今回のバブルが「粘り強い」のは結局何が原因なのか

しかし、まだバブルは崩壊していない。これだけ、今回のバブル(AIバブルを含め、長期的に見れば、リーマンショックから回復過程からのバブル)が粘り強いのには、何か理由があるはずだ。

バブルは、その次元により、4つに分けられる。

第1の次元は、特定の資産セクターでのバブル。暗号資産バブルとか、スニーカーバブル、ワインバブル、半導体バブル。株式バブルも、株式に限定したバブルということで、ここに入る。00年のテックバブルもここに入れてもいいだろう。

第2の次元は、金融バブル。株式だけでなく、ほかの金融リスク資産もバブルになっている場合。バブルが連鎖するともいえるが、崩壊するときも連鎖する。

70年代の株式の死をきっかけにあらゆるものが、金融資産化した。バブルは、膨張によってその暴落を準備し、また、日本のデフレマインドと言われたものも、その前の80年代のバブルの反動がもたらしたものであるが、逆も成り立つのである。

つまり、その前の暴落によって次のバブルが準備される。リーマンショックが量的緩和バブルを準備したし、欧州危機もそれをさらに拡大した。さらにコロナショックによるバブル崩壊は、財政出動バブルをもたらした。そういう意味で、70年代の株式の死は大変興味深い現象だが、これ以降、あらゆるものが金融商品化した。金融商品となれば、すぐにバブルになってしまう。だから、それ以後、金融バブルは頻繁に起こるようになったのである。

次ページ第3、第4の次元は
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