「オリンピック出場でも英検1級取得でもない」地方の高校生が東大に推薦合格できた意外な戦略
私は奈良県の三郷町という街で生まれ育ちました。この街は履物生産が盛んなことから、小学校の上靴として草履をはく学生が半数ほどいます。おそらく日本中を探してもこんな自治体はかなり少数派だと思うのですが、住んでいる人は当たり前の風景として見過ごしているのです。そしてそうした地元の可能性を世の中に広げたい、という思いを東大の先生たちに評価され、合格できたのだと考えています。
自分のまちを少しだけ俯瞰的に見て、その価値を知ることで、それが評価されることがあるわけです。自身を「その価値の中に置かれている立場」として再定義すれば、自ずと独自性やアイデンティティが生まれてくる。その結果として、地域自体も探究テーマとなりうるのではないかと考えられます。
「どうせ何もない」とチャンスを探さない
推薦入試では学校内外での活動実績が重視されます。特に東京大学の学校推薦型選抜は、高校や学生の多様な取り組みを評価することを目的の一つとしており、過去にどのような活動をしていたのかをアピールする必要があるわけです。
実績を作るためには、当然のことながらチャレンジすることが必須です。何かの大会に出てみるとか、生徒会選挙に立候補するとか、いろいろなチャレンジがあると思います。しかしこのチャレンジにおいても、地方の人はチャンスを逃しがちなのではないかと思っています。
たとえば、都心部は人口が多く、その分さまざまな人がさまざまなチャレンジをしています。いろいろなロールモデルが存在し、情報との距離が近いのです。一方で、地方の人たちが普通に地元で生活していると、人口が少ない分相対的にそれらに触れる機会は減少してしまいます。
しかし、現在はSNSやインターネットが普及し、自分たちで情報を取りに行けば、いろいろなチャレンジの機会が得られます。地域限定の大会なども一定数あります。こういう地域の大会はそこまで出場者数が多くなかったりするので、積極的に手を挙げれば活躍できるポジションが空いている場合が多いです。
結果、行動した人が勝つということが結構起こるんです。その反面、都市部の進学校では、優秀な生徒が密集しています。生徒会長になるためにはたくさんの候補者を退ける必要があり、部活のキャプテンになるにも熾烈な競争があるでしょう。学内コンテストや探究発表でも、ライバルが非常に多い。
翻って、私が東大推薦を受験するときにアピールした大会は、小規模で地域的な偏りのある大会がほとんどだったのですが、優勝は優勝です。
まずは情報を自ら取りに行き、小さな大会でもいいから手を挙げてみる。これが第一歩です。「でも、周りにそんな雰囲気はないし、何から始めればいいかわからない」という人は、地域のボランティア活動を覗いてみるのもおすすめします。



















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